第三章
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「最近減ってるしな」
「それで昔はテキ屋とか賭場ばかりで」
「今は普通に建築とかをやってて」
「裏稼業は止めていて」
「根っこは悪い人達じゃなかったからな」
昔からそうであってというのだ。
「まあヤクザ屋さん自体悪いけれどな」
「それ言ったらね」
「やっぱりヤクザ屋さんはヤクザ屋さんだし」
「それはね」
「けれどな、本当に人殺しとかヤクとかウリはしねえからな」
そうしたヤクザならではの仕事はというのだ。
「まあただ柄の悪い人達って言うとな」
「そうした人達で」
「そうした人達とお付き合いがあって」
「涼花ちゃんもそうなのね」
「そうだよ、寮でも先輩にこの口調言われるけれどな」
同じ兵庫県だが丹波と八条学園のある神戸は離れている、それで家から通っているのではなく寮から通っているのだ。
「先輩には敬語でも」
「元々ね」
「口調乱暴だから」
「言われるのね」
「そうだよ、けれどな」
それでもというのだ。
「あたしの口調はな」
「どうしてもよね」
「変わらないのね」
「そうなのね」
「ああ、それでな」
だからだというのだ。
「この性格とか服装もな」
「環境が育てた」
「そうしたものだから」
「どうしてもなのね」
「家は盃貰ってないぜ」
つまり完全にそっちの道に入っていないというのだ。
「けれどそうした環境で育った仕方ねえだろ」
「それでもね」
「涼花ちゃん授業とか絶対出るし」
「課外も部活もね」
「ちゃんとしてるし」
「うちの家そういうのに厳しくてな」
柄が悪い家だがそれでもというのだ。
「もうちょっと授業とかさぼったりしたらな」
「怒られるの」
「そうなるの」
「祖父ちゃんや親父の拳骨が飛んできてな」
それでというのだ。
「ぶっ飛ばされるんだよ、それであたし自身もな」
「そうした中で育って」
「それでなのね」
「今みたいになったのね」
「ああ、それに農家だろ」
今度は家の仕事の話だった。
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