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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第34話:青春の華
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? なら面倒はしっかり見てやれって」
別に、颯人としては響にアドバイスをする事は吝かではなかった。ただ颯人の言う通り響は奏を慕っており、奏も響を後輩として可愛がっている。
単純に、先輩である奏に華を持たせてやろうとしただけであった。
奏にとっては颯人が誰よりも頼れる存在であるように、響にとって奏が頼れる存在で真っ先に相談する相手なのだ。颯人はそれを察したが故に、まずは奏に何とかしてもらおうと敢えて何もしなかったのである。
勿論、颯人とて奏に頼られる事は別に嫌ではなかった。単純に、奏の彼に対する信頼が想定以上だっただけの話だった。
「それが思い浮かばないから聞いてんだよ」
「しゃーねーなぁ」
観念した颯人は、オーディオプレイヤーを止めるとトランプを仕舞い、代わりに何故か帽子から缶コーヒーを取り出し一口飲んでから口を開いた。
「あ〜……一つ、思い付いたことあるけど……聞く?」
何故か奏の顔色を窺うように訊ねてくる颯人に、不穏なものを感じつつ彼女は先を促した。彼の事だから、何だかんだで荒唐無稽な事は言わないだろう。
「とりあえず聞かせて」
「んじゃ、俺の考えだけど…………全部バラしちゃえ」
しかし颯人の意見は、奏の予想の斜め上をいっていた。まさかの意見に、奏は勿論響も驚愕に目を見開く。
当然奏が黙っている訳が無かった。
「馬鹿かお前はッ!? それが出来ないからどうしようって話をしてたんだろうがッ!?」
「そ、そうですよッ!? シンフォギアの事とかバラしちゃったら、未来が悪い人たちに狙われちゃうッ!?」
奏のみならず響までもが颯人に抗議するが、そんな反応は彼も予想していたのか特に取り乱す事も無く言葉を続けた。
「いや、多分だけど俺の考えが正しければ現状その、未来ちゃんだっけ? その子に何も伝えないのは逆に危ないと思うぞ」
「どういう事だ?」
実は、響には本人の性格や戦闘力とは別に大きな弱点があったのだ。奏と響はそれに気付いていないらしかったので、颯人はそこら辺も踏まえて2人に説明した。
「一つ聞くけど響ちゃん。その未来ちゃんって子とはよく一緒に居る?」
「え? はい。最近は、修行とかで一緒に居られない事も多いですけど……」
「学校じゃ仲良くしてる?」
「勿論!」
既に述べたが、響にとって未来は唯一無二の親友なのだ。それは未来にとっても同様である。仲良くしない理由などない。
だがそれこそが颯人の意見の肝であった。
「つまり、本気でシンフォギアとかの事を調べたり掻っ攫ったりしようとしてる連中にすれば、響ちゃんと仲が良い未来ちゃんを抑えちまえば響ちゃんに首輪を付けれるって訳だ」
「えっ!?」
「な、何でッ!? 未来は何も知らな
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