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Fate/WizarDragonknight
青い変なお客様
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うのもおかしな話だけど、話の流れからすればずれているんじゃない?」
「そう? どうなんだろう。でも、私好きなアニメとかすぐに打ち切りになっちゃうから、そういうところが関係しているのかも」
「それって、普通の人と感性がズレているってことだけど」
「うえ〜」
「可奈美さん。ところで、お願いが……あるのですが」

 青山さんが顔を可奈美に近づけた。

「私、今日一日、貴女を観察していたいのです」
「は、はい?」

 可奈美が唖然とした表情をしているが、青山さんはそんな彼女の表情を無視し、屈む。

「え? あの……!」
「私、貴女を観察したいんです。貴女からは、何か面白そうなにおいがします」
「ああっ! スカートをめくりながら言わないで下さい!」

 可奈美が抑えているが、青山さんはひらひらとスカートのすそをめくっている。ラビットハウスの女性制服はロングスカートが付いているが、それが可奈美の足元のタイツを見せては隠しを繰り返している。
 いい眺めだなとその光景を眺めていると、「ハルトさん助けてください!」厨房の電話がけたたましい音を奏でた。

「あ、可奈美ちゃん。悪いけど接客お願いね」
「ハルトさん! お客様も、そろそろやめてください!」

 可奈美の悲鳴と青山さんの笑い声をバックに、ハルトは受話器を取る。今時こんな壁に取り付けられた木製の電話なんて見たことないと思いながら、ハルトは耳に当てる。

「はい、ラビットハウスです」

 一週間で、この応対の仕方にも随分と慣れてきた。
 ハルトが見滝原に来る数か月前より始まった、ランチの出前の注文を受けたハルトは、そそくさと既定のメニューを作り、パッケージに入れる。

「よし。可奈美ちゃん。俺外出てくるから」
「ハルトさん止めて!」

 延々とセクハラされ続ける可奈美をドアの奥へ押し込み、深呼吸した。
 都会である見滝原より離れたこの木組みの町は、空気がやさしい。

「ファントム退治と聖杯戦争が終わったら……ここに、住んでみたいな」

 バイクのアクセルを入れながら、思わずそう呟いた。

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