第1部
アッサラーム〜イシス
シーラの同居人
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
て☆」
「どういうこと?」
何の話をしているのかさっぱりわからない。それを察したのか、シーラが言葉を続ける。
「つまりね、昨日お風呂のこと教えてくれたおじさんいたでしょ。それね、あたしたちをそこに行かせるためにわざと言ったんだよ」
「? 何のために?」
「あとで自分もそこに行ってあたしたちを覗き見するためだよ」
「ええっ!?」
「この街、そういう人多いからね♪ ミオちんは特に気をつけたほうがいいよ☆」
あっけらかんとシーラがそんなことを言うので、この街に対する不安が急上昇し、私の顔は青ざめた。
昨日ユウリが止めたのも、気づいていたからだろうか。私は心の中でユウリに感謝した。……けれど。
「そんなこと聞いちゃったら、余計お風呂行けないじゃん……」
「でもさ、知ってる顔の人にみられるよりはまだマシじゃない?」
「そういう問題じゃないって!」
なぜか自然に視線が男性陣へと注がれる。
「ユウリちゃんとナギちんも、覗いちゃダメだからね?」
「見るわけねーだろ!」
「そのウサギ耳燃やしていいか?」
シーラの発言に男性陣が露骨に反論するが、いたずらっぽい笑みを浮かべているシーラはなんだか楽しそうに見える。
さっき見せた複雑な表情は何だったのだろうか。けれど、それをいちいち問い質すほどのことでもないと感じた私は、その小さなほつれを気に留めることのないまま、胸の奥にしまいこむことにした。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ