ご注文は衣食住ですか?
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
て呼んでほしいから、お姉ちゃんって呼んで!」
「結局お姉ちゃん呼びがいいんかい!」
ハルトがツッコミを入れたところで、再びドアが開く。
振り向くと、チノが背の高い男性を連れて立っていた。髭と彫りがダンディな背の高い男性。チノが言っていた父だろう。
チノの父は、そのままハルトと可奈美の席へやってきた。
「やあ。鹿目さんから、話は聞いているよ。君たちが、ここに住みたい旅人だね?」
「あ、はい……」
壮年の力量を感じる声に、思わずハルトは背筋を伸ばす。可奈美も緊張しているのか、顔が強張っていた。
チノの父は続ける。
「部屋の空きもある。住みたいというなら、私は構わない。だけど、流石にタダというわけにはいかないね。どうだろう。賃料として、ここで働いてはくれないだろうか」
「それは、もちろん」
可奈美が答えた。ハルトもそれに続く。
「ありがとう。ちょうど最近、バイトの子が留学で止めてしまってね。チノとココア君だけでは、少し大変だったんだ。それでは」
チノの父は、手を差し伸べた。
「これから、よろしく頼むよ。私は香風タカヒロ。このラビットハウスの店主で、チノの父親だ」
「よろしくお願いします」
ハルトは、その手を握り返した。強く、ごつごつした手が、ハルトにはとても印象深く感じた。
そして、ハルトが握り返した手に刻まれた令呪には、可奈美の視線を感じていた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ