第二章
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「飲んでる訳でもないわよ、適量よ」
「あれで?」
「逆にいつも減らすか増やすと」
いつもの量からそうすればというのだ。
「味が落ちるわよ」
「そうなの?」
「そう、そこは安心してね」
「そうだといいけれど」
友人は花梨の言葉に一応は納得した、だが。
やはり彼女の料理を見ると使い過ぎに見えた、パスタにかけるオリーブオイルも中華料理に使うごま油もだ、兎角だ。
花梨は油を多く使うので粗末にしていると思われがちだった、だが彼女はあくまで適量だと言う。そうして。
神戸にある学校から大阪の実科まで毎日通っている、この日もそうで家に帰るとだった。
店の入り口からでなく裏手の家の玄関から家に入って挨拶をした。
「ただいまーーー」
「お帰り」
すぐに姉の雅梨が応えてきた、見れば花梨の髪の毛を黒髪にして少し背を高くした感じの二十代半ばの女性だ。服は動きやすいシャツとスラックスだが胸は目立つ。
「学校どうだったの?」
「いつも通りよ」
花梨は姉に笑って応えつつ玄関で靴を脱いだ。靴はシューズである。
「これといってね」
「おかしなことはなかったの」
「全くね」
「それは何よりね」
「うん、楽しかったよ」
姉にこうも話した。
「本当にね」
「ええ、じゃあ今から晩ご飯作るわね」
「あっ、あたしも手伝うから」
花梨は自分から申し出た。
「何かやらせて」
「学校から帰ってすぐじゃない」
「すぐでも体力あるから」
それで大丈夫だというのだ。
「だからね」
「手伝ってくれるの」
「そう、それで今日の晩ご飯何?」
「ジャーマンポテトとサラダよ」
姉はまずはこの二つを挙げた。
「それと茸とお豆腐のお味噌汁よ」
「その三つね」
「ええ、もうお味噌汁は作って」
それでというのだ。
「ジャーマンポテトは炒めるだけでサラダもドレッシングだけだから」
「じゃあ後はあたしがやるわ」
「いいの?」
「ジャーマンポテト炒めてドレッシング作るだけよね」
「ええ、その二つだけれど」
「じゃあ任せて、今から作るから」
台所の方に向かいながら姉に言う、店構えは大きいが家自体は然程大きくない。ごく普通の家である。だから玄関から台所までも然程距離はない。
「お姉ちゃん今まで作ってくれたしね」
「それでなの」
「後はあたしがやるね」
「じゃあ任せていいのね」
「そうしてね」
「じゃあ子供達見て来るわね」
三人いる彼等をとだ、こう言ってだった。
姉は自分と夫の間の子供達の方に行って花梨は台所に立った、そして。
ジャーマンポテトを炒めドレッシングを作る、どちらも油を豪快と言っていいまでに使う。だがその彼女の横に。
何時しか栗に似た形の頭ですまし顔をしている蓑を着て杖を持った老人
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