VS 可奈美
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の動きが止まった。
「今だ!」
ウィザードは、一瞬のスキに一気に切り込む。上薙ぎ、下払い、蹴り、スライディング。いずれも可奈美は、無駄ない動きで回避する。
そしてソードガンの斬撃を千鳥で受け、そのまま何度も何度も切り結ぶ。
「こうなったら……」
一か八か。そう判断したウィザードは、ソードガンの手の形をしたオブジェを開放。すると、ソードガンから音声が流れ始めた。
『キャモナスラッシュ シェイクハンズ キャモナスラッシュ シェイクハンズ』
可奈美より飛び退き、ルビーを、オブジェと握手をするように握る。
『フレイム スラッシュストライク』
「すごい……!」
ソードガンの刃に走る炎の流れ。それを可奈美は、キラキラと輝かせた目で見つめていた。
「これが魔法を交えた剣術……! 本当に、私たち刀使とは全く違う!」
「剣で語ってほしいんでしょ? だったら、俺の剣の本気を撃つ。可奈美ちゃんも、そうしたら?」
「……! うん!」
これは戦いの最中の会話。
そんなことを忘れそうになるくらい、可奈美は笑顔を見せていた。
「……ハルトさん」
可奈美の雰囲気が変わった。
「やっぱり、立ち合いは楽しい!」
「……え?」
「これまで、色んな流派の剣と戦ってきたけど、ハルトさんみたいなのは初めて見た! 足を使った、剣捌きに、魔法を交えた補助戦術!」
可奈美は、腰を落とし、身構える。
彼女の白い写シが、深紅へ染まる。
「分かったよ。ハルトさん」
「? 何が?」
「剣を交えれば、その人のことが分かるって言ったでしょ? ハルトさんは、聖杯戦争の……自分の願いのために、誰かを犠牲にできる人じゃない」
「どうしてそれが分かるの?」
「ハルトさんの剣は、真っすぐで、強くて。皆を守ったり、楽しませたり。そんなことがしたい。そんな魂がこもっているから。……でも、何かを隠してる?」
「……!」
「とにかく、悪いことをする人じゃない。それは、絶対に間違いないよ!」
「……ふうん……なんか、よくわからないな」
「とにかくそうなんだよ! だから、私も全力で、ハルトさんとぶつかりたい!」
彼女の刀より、赤い光が流れ出す。
「行くよ!」
「ああ」
「だあああああああああ!」
「太阿之剣!」
その時。
まどかの前で、巨大な爆発が起こった。
野次馬が集まってきて、警察も出動。当事者たちが、疲れた体を動かして慌てて逃げていったのだった。
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