第三章
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「さらにね」
「飲んでなのね」
「温まるわ」
「いいことよ、じゃあ今から入れるわね」
母は自分も飲むつもりになってだった、それで。
牛乳を温めてそこにココアの素を入れた、そうしてだった。
娘と一緒にココアを飲んだ、そうしつつ窓の方を見ると。
「雨上がったわね」
「あっ、そうね」
真白も窓を見た、するとだった。
家に帰った時は土砂降りだったが止んでいた、その天気を見て彼女も言った。
「上がったわね」
「ええ、通り雨だったみたいね」
「やれやれね、お散歩の時は降って」
「今は止むなんてね」
「全く、嫌な雨だったわ」
「そうね、ただね」
「ただ?」
「こんな時もあるわね」
真白は笑ってこうも言った。
「やっぱり」
「そうね、お天気のことはね」
「そう思うとね」
それならとだ、ココアを飲みつつ母に話した。
「いいわ、お風呂で温まってすっきりしたし」
「それにココアも美味しいから」
「ええ、ココアもお散歩に行ってすっきりしたみたいだし」
見ればココアは今は二人がいるリビングにいる、そこにある彼の為に置かれているソファーの上で丸くなっている。
「よかったわ」
「そうね、雨に遭ったのは災難だったけれど」
「お散歩に行けて温まってココアも飲めてるから」
だからだというのだ。
「よかったわ」
「そうね、じゃあココアを飲んだら」
その後はとだ、母は娘に話した。
「晩ご飯作るわね」
「それでココアにご飯もあげて」
「皆で食べましょう」
「お父さんも帰って来るし」
「そうしましょう」
「ココアもそれでいいわね」
「ワン」
ココアは飲みもののココアを飲みながら自分に声をかけてきた真白に一言鳴いて応えた、そうしてだった。
彼も窓の方を見た。もう雨はすっかり止んでいて夕暮れの空から雲はなくなっていっていた。雨上がりのすっきりした風景がそこにあった。
散歩の後は 完
2020・5・28
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