"save me save you"
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まうからな」
「卑怯者……」
ウィザードは、指輪へ伸ばした手を下げる。
その瞬間、ファントムの手から光弾が発射。全身から火花が散り、膝をついた。
「ぐっ……」
「あひゃひゃひゃ!」
ファントムの笑い声。それがウィザードの怒りを買う。
「この……!」
「お前の言った通りだな! 初めまして、さようなら! あひゃひゃひゃ!」
より、大きな光弾がファントムの手に膨らんでいく。
ファントムが告げた、ウィザードの言葉。
「初めまして。さようなら」
「ぎゃああああああああ!」
その時。突如として、ファントム___まどかたちを捕まえている方の___が悲鳴を上げた。
何事かとウィザードもファントムもそちらへ注目する。
すると、ファントムの両腕がなかった。
綺麗な断面を見せ、後ずさりしながら腕を振っている。
そしてその前には、人質___まどかが、茫然としていた。
そんな彼女を、所謂お姫様抱っこで抱える人物___あの少女、可奈美が、強い眼でファントムを睨んでいた。
「こんな卑怯者、初めて見たよ」
可奈美は、まどかを下ろす。まどかは「ありがとう……」と呟きながら、後ずさっていく。
両腕を失ったファントムは、可奈美を恐れ半分で見下ろす。
「貴様、一体何を……」
それに対する答え。可奈美は、言葉ではなく、刃で示した。
そう。刃。
まさに、日本刀としか呼べない代物が、彼女の手に握られていた。
それと、彼女の足元に転がる、開いたギターケース。それから、その中にあったのはギターではなかったことが判明した。
銀の光を放つ、刀。
桃色の装飾の突いた鞘を左手に、可奈美がもっていたのは、日本刀。
その名も、千鳥。
「な、なんだ……? それは?」
ファントムの問いに対し、答えた。
「全てを薙ぎ払えるような、全てを守り抜けるような、私の御刀? 千鳥!」
少女は、千鳥という刀を回し、告げた。
「元、美濃関学院 衛藤可奈美! 行きます!」
可奈美はまず、切っ先を両手のないファントムに向ける。
ファントムは、その口より炎を発射。瞬く間に炎の壁となり、可奈美へ迫る。
「うおおおおおおおおおおおおおおお!」
しかし可奈美は、大声のみでその炎へ立ち向かう。
「写シ!」
刹那、その体が白い光に包まれる。すると、可奈美の動きが変わる。
人間ではできない、俊足移動。一瞬で炎を突き抜け、ファントム本体まで移動した。
そしてそのまま、ファントムの体を越える。
「次!」
すでに可奈美は、腕なしファントムを背
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