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儚き運命の罪と罰
第二章「クルセイド編」
第十五話「お尋ね者 フェイト・テスタロッサ」
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お前でなけりゃあできない事だ。」



「ほらここはこうやって結べば……(ほど)けないでしょ?」

「うわぁ…すごいねマーク。」

その頃フェイトはあの日料理を運んできた少年…マークとすっかり仲良くなっていた。
マークはフェイトより三つも年下なのに物知りで、紳士的だった。
もっともそう言うと決まってはにかみながら「ちょっと器用なだけだよ」と答えるような少年なのだが。

「この位は直ぐにフェイトちゃんもできるようになるよ。」

「そうかなぁ…」

今、マークがフェイトにやって見せているのはクレストループと呼ばれるクルセイドの綾取りみたいな物だった。フェイトは綾取りも知らないのだがリオンがそう教えてくれたのだから間違いない。

「まあでも今日はこの辺でね。クレストループは雨の日でもできるから。」

「そうだね。じゃあ次はどうする?」

「次は……」

その時ドアがバタンと開いた。

「あ、リオンさん。どうした…の?」

少なからずフェイトは驚いた。実際彼女がそこそこ明るく振る舞えていたのはリオンの推察通り空元気もあったのだがそれはここで過ごす日々が安寧に満ちていたからだ。
だがリオンの表情は、地球にいた頃のそれと何ら変わりない…いや、より険しい。
嫌な予感を感じて立ち上がった。

「フェイト…話がある。」

「なに?」

空気を読んだのかマークは席を立っていた。

……数秒後、私は絶句することになる
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