第二章「クルセイド編」
第十五話「お尋ね者 フェイト・テスタロッサ」
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味が出たのさ。人を殺すってどういう事なのか、殺した奴の命も俺が見てる患者のそれと同じに尊いのか…だからボロボロになってたエレギオとジャックを匿って治療した。」
だがその当事隠蔽の方法など欠片も知らない若者が隠しとおせるものではないと言うのはすぐに創造できること。数日もたてば直ぐに管理局クルセイド支部から出頭の命令が来たとエドワードは語った。
「だが俺はそれを突っぱねた。僅か数日間の間に俺は10も年下のあいつ等に兄弟みたいな情が移ったらしい。幸い手配はされずに済んでるけど医者になんかなれるはずも無いよな。」
「それで闇医者を?」
「クルセイドは行き詰った世界………闇医者を求める声は余りに多い、と言うことを俺はなってから初めて知った。」
「知ってからわかる…本末転倒も良い所だな。」
苦笑いをした後エドワードは「そう言うな」と言った。
「表にいる奴には闇がどれだけ叫んでもその声が届く事は無い。魔道士の念話が凡人に聞こえないのと同じように、それはお前だって知っていると思うが?」
「……何の根拠を持って。」
医者は鼻をこすった。…その意味することはリオンもわかる。闇に生きるものには独特の臭いがする。犬でも嗅ぎ当てる事ができないが同じ者にはわかる。リオンがエドワードからそれを嗅ぎ取ったのと同じ様に彼もまたリオンから嗅ぎ取ったのだろう。
…もっとも、気持ちの良い臭いではない。何かを諦めてしまった臭い。
「だから結構儲かってるんだぜ。連中の事抜きにしてもな。」
「だろうな。であれば患者とは言え僕達の衣食住を完璧にまかなう余裕も無いだろう。僕たちはお前達に払える金など無いからな。」
「わかってるとは言え威張って言われると微妙だなそれ…」
「貴様の話を聞く限りでは僕達で始まった事じゃない様だが…?」
「はっはっは、違いねえ。エレギオに言わなくちゃいけねえなその台詞。」
何時の間にかエドワードの手には紅茶のポッドが握られていた。砂糖は何粒?と訊く。
3、とリオンは答えた。
「お前は執事の経験でもあるのか?」
「似たようなモンならあるぜ。」
「ふーん……」
エドワードも自分のカップに紅茶を入れて息を吹いて冷ますこともせずガブリと一口。コーヒーも紅茶もそう飲む男だと知っていた。
知っているほどにもう付き合いは安い物ではなくなっていた。
「さて、俺が話せることはここまでだ。」
一口で飲み終えた紅茶を置く。
「お前は、何を話すんだ?」
「…その前に、フェイトと話をさせて貰えないか?」
「いいだろう、魔法関係者でなきゃわかんないこともあんだろ?俺もエレギオ達を待つことにする。」
「悪いな。」
「気にするな。それにそれは
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