聖杯戦争
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おいで」とハルトとまどかを先導した。当たり前のようにハルトの肩に乗り、「彼女の謎が知りたいなら、僕が指定する場所にむかうがいいさ」とのことだった。
「あの……キュウべえ……さん」
『きゅぷい』
変な返事、というのがハルトの感想。
「その、私も一緒でいいの?」
『構わないさ。いやむしろ、君も来てくれた方が効率がいいのさ』
背後のまどかへ、キュウべえが語る。ヘルメットで見えないが、その無表情な目は、どんな風に彼女を映しているのだろう。
『ここだ』
キュウべえに導かれたのは、既に使われなくて久しい教会だった。どれだけ昔に打ち捨てられたのか、ボロボロの扉と壁からは風穴が空いており、色落ちのせいで、ほとんど茶色一色の外壁になっていた。
立ち入り禁止のロープを潜り、ボロボロの木製の扉を押し開ける。木の腐った香りが鼻腔をくすぐる。
「ここは……?」
まどかが不安そうに尋ねた。ハルトも、教会全体からそこ知れぬ不気味さを感じていた。
顔の部分がかけた聖母マリアのステンドガラス、無造作に荒らされ席が席を破壊している座席、そして祭壇にあるイエスの十字架は、イエス本人と右半分が大きく欠けていた。
そして、祭壇に腰掛ける、暁美ほむら。
「!」
『コネクト プリーズ』
ギロリとしたほむらの睨みと銃口がハルトに向けられると同時に、ハルトもコネクトを使用、ウィザーソードガンを返す。
「……まどか……」
ハルトには確かな敵意を向けながら、ほむらのまどかへ向けられる視線は、明らかにそれと異なっていた。
ハルトがそれをどんなものなのか、自分なりに考えようとして、こう結論付けた。
愛情
『武器を収めてくれ二人とも』
脳裏に響くキュウべえの声で、ハルトは銀の銃の矛先を背けた。ほむらは数秒動かなかったが、しぶしぶそれにならう。
『やれやれ。どうして君たち人間は、大きく平和を謳いながら、率先して争おうとするんだい?』
それに答えるものはいない。
ただ、まどかがオロオロするだけだった
キュウべえはしばらくハルトとほむらを見比べ、
『まあいいさ。君たちが争いを続けたいなら止めはしないよ。でも、取り敢えずルールは説明させてほしい。それが、監視役としての僕の役割だからね』
「監視役?」
ほむらの眉が釣り上がる。
「キャスターから粗方のルールは聞いたつもりよ。監査役というのは、魔術協会から派遣されるんでしょ? なぜインキュベーターが?」
『なぜ君がそれを知っているのか、問いただすのは次回にしよう。全く、契約した記憶のない魔法少女がいるなんて。では、改めて』
キュウべえは祭壇へ飛び乗る。夕陽をバックに、ハルトとほむらを
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