キャスター
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ーズ』
『ビッグ プリーズ』
『ビッグ プリーズ』
何度も何度もビッグの指輪を読み込ませる。キャスターとの間に、その数だけの魔法陣が出現した。だが、まだまだあの一撃には程遠いというのが、自身の見立てだった。
だが、時はそこまで。
「スターライトブレイカー」
キャスターから告げられた、冷たい技名。それこそが、もう時間がないというお告げだった。
キャスターの光が、光線となってウィザードに向かってくる。それに対し、キックストライクを蹴り上げた。
無数の魔法陣を貫通するたびに、その大きさ、威力は倍々ゲームとなっていく。そして、炎の蹴りは、桃色の光線と激突。
巨大な爆発が引き起こされた。
ウィザードはハルトの姿となって地面に投げ出される。
「うぐっ……」
もくもくと立ち込める煙が晴れていく。綺麗だった公園は滅茶滅茶に破壊され、整った芝生は茶色の地表がむき出しになっていた。
「キャスターは……?」
この原因を作り出した堕天使、キャスターの姿を求めて首を振る。
あの堕天使の姿は、地上にはおらず、
ほとんど無傷で滞空していた。
「え……」
何も変わらない。美しい銀髪を靡かせ、漆黒の衣装のどこにも傷はなく。
再び上げた手が、彼女の追撃を示した。
「!」
ハルトは、ディフェンドの指輪を取り出そうとする。が、全身にフィードバックされたダメージで、もう動けない。
「ディアボリック エミッション」
集う、黒い光。それがさっきまでのものと同じ威力なら、生身のハルトが受けきれるものではない。
まずい、とハルトが目をつぶると、
「止めて?」
そんな少女の声が聞こえた。
ハルトの前に立ち塞がる、小さな背中。桃色のツインテール。
鹿目まどかが、恐怖に震えながらも、キャスターからの盾となっている。
「それじゃ、ハルトさん、死んじゃう! そんなことしないで!」
今日初めて会った人のために涙を流す彼女。
だが、それでさえも、キャスターの情を動かすものでもなかった。
だが。
「止めなさい! キャスター?」
新たな声が飛んできた。
慌ててまどかの前に立つ、黒髪の少女。
まどかと同じくらいの背丈。制服が似合いそうなものだが、紫と白の、世間離れした衣装は、まどかの制服以上に彼女に似合っていた。
「キャスター! その攻撃を止めなさい!」
「……マスター……」
その少女を見下ろし、キャスターの表情に陰りが宿る。
「どいてください。もう、ディアボリックエミッションは止められない」
「止めなさい!」
「……不可能」
少女と問答している間に、漆黒の球体の重量に、キャスタ
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