鹿目まどか
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さっきの怪物は……?」
「ん? あれはファントム」
「ふぁんとむ?」
目を白黒させるまどか。テレビでしか聞いたことのないような単語だったが、ハルトはさも当然のように語った。
「人間を襲う怪物。ま、ゲートっていう魔力を持った人を絶望させて、仲間を増やそうとする奴ら。増えたら、大変なことになるから、俺はこうして退治しているわけ」
「はあ……それじゃ、もしかして私がその……ゲートってことですか?」
「うーん、それはないんじゃないかな? だって、あのファントム結構手あたり次第って感じだし。たまたま逃げ遅れたんじゃないかな」
「そうですか……あの、助けていただいて、本当にありがとうございました!」
「いやあ……あ、そうだ」
するとハルトは、ポンと手を叩く。
「ねえ、その……助けた後でお礼お願いするのも変な話だけど、頼みってしてもいい?」
「あ、私にできることならなんでも」
ハルトは深呼吸し、
「この町……案内お願いできない?」
「ここって結構、進んでいる町なんだね」
それが、見滝原を大体見て回ったハルトの感想だった。
「高層ビルがこんなに多いのも早々ないよ? 公園も綺麗なところ多いし」
「ハルトさん、いろんなところを旅してきたんですよね」
まどかの言葉に、ハルトは頷く。
「うん。色々行ったよ。海外もいくつか」
「すごいですね。大道芸と魔法使いなんて」
「そんなことないよ」
ハルトは右手に常備している指輪を見落とす。ベルトを出現させる効果をもつその指輪だが、まどかも同じように見上げていた。
「見滝原の主な場所はこんなところですね。市役所、駅、商店街、公園、動物園に水族館」
「いやあ、すごいなあ。空中にタッチパネルなんて、映画でしか見たことないよ」
「そうですか? 私、あまり見滝原から出たことがないので当たり前になっちゃったんですけど。他ではあまりないですか?」
「うーん。俺は見たことないかなあ。今って、こういう技術ってあっという間に広まりそうなんだけど」
そんな笑いながらの会話の最中だった。
突然感じた、殺気のようなもの。まどかを抱きかかえ、脇へ退避する。
その時。
轟、という音が大地を揺らす。
振り返れば、さっきまでいた場に大きな穴が。
そして空には、それを行ったらしき、黒い翼を生やした女性がいた。
「な、何だ……?」
ハルトもまどかも唖然として空を見上げる。
美しく長い銀髪、黒い衣装と黒い翼。光を塗り潰す闇が、昼の世界の色を変えている。
そして彼女の、美しくも悲しい赤い瞳が、まっすぐとハルトを見つめていた。
「……見つけた」
彼女の冷たい声。それだけで、彼女がフ
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