鹿目まどか
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事はないよと言わんばかりに、ハルトの頭をポンポンと叩く。ガルーダの嘴が頭に刺さって妙に痛い。
「痛! 痛いって!」
そんな端から見たらペットとじゃれあう主人のような行動を繰り返しながら、ハルトの耳に新たな鳴き声が聞こえてきた。
ヒヒーンと、馬らしき鳴き声。ハルトの手元には、ガルーダと同じように、プラスチック材質でできた馬がいた。
「お、ユニコーン」
青い材質でできた、角の生えた手乗り馬。伝説上の生き物、ユニコーンの姿と名前を持つそれは、その角でハルトの手をツンツンと叩く。
「痛っ。何? 魔力切れ? もうそんな時間か」
しかし、ユニコーンは首を振る。その時点で、ハルトの第六感が嫌な予感を伝えた。
「……魔力切れでしょ? すぐに補充するから」
そういって、ユニコーンの胸元へ手を伸ばす。ユニコーンやガルーダの動力源である指輪だが、それに触れさせないように、ユニコーンはその身を避けた。
もうハルトは、観念して呟いた。
「……ファントム?」
正解。そういうユニコーンのジェスチャーは、縦のジャンプだった。
「こーなったらもうこの町のファントム狩り尽くしてやる! 変身!」
『ハリケーン プリーズ』
怒りのエメラルドの指輪を装填。バイクに乗るのももどかしく、手にユニコーンを乗せたエメラルドのウィザードは、風とともに空へ飛んで行った。
少女の名前は、鹿目まどか。この町の中学校、見滝原中学の生徒である。小柄な背丈、非力な肉体。どこにでもいるような、ただの女子中学生だった。
命の危機など、一生無縁であるはずだった。それなのに今。絶体絶命の危機に瀕している。
「ぐへへ……さあ、絶望してファントムを生み出せ!」
見たこともない、牛の顔をした化け物。青いの人型のそれが、両手を広げながらこちらへ迫る。これが人間ならば不審者で済むが、この怪物、が纏う雰囲気は、本気の危険だった。
「こ、来ないで……!」
目に涙を浮かべながら訴えるが、そんな情が通じる相手ではなかった。
怪物は、どんどんにじり寄ってくる。いままさに、まどかの命を奪おうと手を伸ばし、
その手が、どこからか飛んできた銃弾によって弾かれた。
「……え?」
唖然としたまどか。そして、
その目前に現れた、土の壁。
「な、何?」
連続する奇怪な現象に目を白黒するまどか。そして、
現れた壁が粉々に崩壊。中より、黒いローブの人物が出現、怪物へ回転蹴りを放った。
「……」
「大丈夫?」
黄色の仮面をしたローブは、こちらへ手を伸ばした。
驚きながらも、まどかはその手を握り返す。
助け起こされ、まどかは恐
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