第8章:拓かれる可能性
第245話「決して見果てぬ憧憬」
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続けざまに回し蹴りを放ち、次の相手を蹴り飛ばす。
一斉に飛び掛かられてもそれは変わらず、一人、また一人と吹き飛んでいく。
「速い……!?なぜ、我々が圧倒される……!?人間如きにぃ……っ!!」
「……そんなの、決まってるだろ」
腹を殴られ、膝を付く神が忌々しく呟く。
その呟きを帝は拾い、見下ろしながら答える。
「俺の憧れたキャラクターが、お前らみたいな神々に負ける訳がないだろう―――!!」
それは、魂からの叫び。
そして、今力を借りている“憧れの存在”への絶対的信頼だった。
「ぉおおおっ!!!」
魔力でも霊力でもない力、霊力と同じく生命力を起源とした“気”。
“ドラゴンボール”におけるそのエネルギーを、後ろ手に構えた両手に集束させる。
そして、雨霰のようにそれを神々へ向けて解き放つ。
怒涛の連打のように放たれたエネルギー弾が次々と神々を貫く。
「優奈!!」
「ええ、分かってるわ!」
少し離れた場所で、白兵戦以外に特化した“性質”の神を倒した優奈が転移する。
そして、帝の攻撃で怯んだ敵を、全て理力によるバインドで拘束した。
「“か”」
その直前から、帝は両手の根本を合わせ、正面に構えていた。
体は右側半身を逸らし、膝を少し曲げてどっしりと構える。
「“め”」
そして、その両手を腰の後ろへ持っていき、気を集中させる。
気だけではない。魔力も、霊力すらもそこに集中させていった。
出来上がるのは、一つのエネルギーの球体だ。
「“は”」
それは、“ドラゴンボール”を好んでいた男子ならば、一度は憧れた技。
簡単に覚えられるその技の名前を、一文字ずつ、力を込めて唱える。
「“め”」
作品内においても、序盤から終盤までずっと主人公も頼った“必殺技”だ。
力を込めれば込めるだけ、その威力も比例して増加させられる事が出来る。
「“波”ぁああああああああああああああああああああ!!!」
それを、帝は解き放った。
「………味方ながら、恐ろしい威力ね」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」
冷や汗を流しながら言う優奈の視界には、誰もいない。
いるのは、傍らで息を切らす帝だけだ。
「“憧れ”に対する絶対的信頼と共に放たれた“圧倒的な力”。固有の“領域”によって放たれたからこそ、一発で全員の“領域”を砕いた……って所かしら」
そう。帝の攻撃で先程までいた大量の敵は全滅したのだ。
肉体は完全に消滅し、残ったのは砕けた“領域”だけだ。
無論、敗北した神々にもう意識はない。
「……こうなると、
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