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ペルソナ3 幻影少女
前編
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昔、亡くなったっていう?」『彼女』は驚いて声を上げた。
「ああ。」荒垣が渋い顔でうなずく。
「でも、どうしてシャドウとの戦闘中に妹さんの名前なんか・・・」
聞いていた ゆかり が不思議そうに言った。
「どうも、その辺に何かワケがありそうだな。」
荒垣が頭を掻きむしりながら言った。
「シャドウの仕業でしょうか。」と ゆかり。
「わからないが、明彦と一緒に消えたそのシャドウに何かありそうだ。」
美鶴も考えながらそう答えた。
「あいつ、前にも見たよね。」
ゆかり が『彼女』に振り向き、『彼女』がうなずく。
「以前にもあのシャドウと戦って、その時、私はどこか別の場所に飛ばされた・・・と思う。」
『彼女』が記憶を探るように言う。
「あの時のシャドウか!」
順平が声を上げた。あの時は順平も不意打ちを食らってそのシャドウにやられたのだ。
「飛ばされた先で何があったのか、それがどうしても思い出せないんだ・・・。気が付いたときにはタルタロスの外に倒れてた。」
『彼女』がため息をついた。
「今回と状況が似ているな。」と荒垣。
「今回も無事に帰ってこられるといいんですけど・・・」ゆかり が不安げにつぶやく。
「ともかく明日、もう一度捜索だ。手がかりはその謎のシャドウだな。」
美鶴が厳しい表情で宣言する。
「影時間は1日1時間しかない。明彦がまだタルタロスにいるのだとすれば、我々にとっては丸1日でも、あいつにとってはたかだか1〜2時間程度にすぎないということだ。望みはある。」
既に深夜3時になろうとしていた。みな疲れた表情を浮かべている。
「ともかく今はこれ以上、何もできない。明日の為にも今日はもう休んでくれ。」

しかし、『彼女』はその夜、ろくに眠れなかった。
学校へ行っても全く授業に集中できず、放課後は部活に出ずにベルベットルームに直行した。
ポロニアンモールの片隅にある、私にしか見えない扉を開けると、そこは上昇し続ける巨大なエレベーターの中という奇抜な形状の部屋だ。夢と現実の狭間にある、青い部屋 ベルベットルーム。そこの住人が、いつも『彼女』の戦いをサポートしてくれる。
そして、その非現実な部屋だけが、以前に『彼女』が飛ばされたはずの場所を知る、唯一の手掛かりなのだ。
ベルベットルームには、いつも通り静かなピアノと歌声が流れていた。
『彼女』は挨拶もそこそこにテオドアに詰め寄った。
「どうされたんですか。そんなに慌てて。」
血相を変えて飛び込んできた『彼女』を見て、ベルべットルームの住人 テオドアが心配そうに言った。
「仲間が一人、タルタロスで行方不明になったの。」
「それは・・・。」テオドアは息をのんだ。
「あの時戦ったシャドウと同じ奴がまた現れたんだ。よく覚えてないけど、私がどこか異世界に連れていかれた
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