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ペルソナ3 幻影少女
前編
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真田はいやな予感に襲われた。また『彼女』が危険にさらされるかもしれない。
そうはさせじと、立て続けに攻撃するが、さして効果は上がらなかった。まさに強敵だ。
しかも、案の定、敵シャドウは『彼女』に攻撃を集中させてくる。そしてついに、弱点攻撃を受けて『彼女』がダウンした。
「させるか!」
倒れた彼女の前に立ちふさがり、真田がポリデュークスを呼び出す。

電撃!!!

稲光が明滅する。
その時、真田は自分を呼ぶ声を聞いた。
『お兄ちゃん・・・』
懐かしい声だった。まさか・・・と思った。
瞬く光の中に少女の姿が見えた気がした。
「美紀?」
真田は声に誘われるように思わず足を踏み出す。
輝きがどんどん増していく。まばゆい光に包まれ前がよく見えない。それでもおぼろげに駆けていく少女の後ろ姿が見える。
『お兄ちゃん、こっち。』
真田はさらに前に進んだ。声のする方に・・・どこまでも・・・。
周りじゅうが光でいっぱいになり、そして何も見えなくなった。

気が付くと古い木造の建物の前に立っていた。夕刻だった。
その目の前の建物を真田はよく知っていた。懐かしい建物。それは真田と荒垣が子供のころに過ごした孤児院だった。
しかし、そんなはずはない。その孤児院は9年前、火事で焼け落ちたのだ。そして、その火災で真田は妹を失くした。
事態が呑み込めないまま真田は建物の入り口を見つめていた。
どう見ても、子供の頃に過ごした孤児院で間違いない。木造2階建て。錆び付いた門。建物の入り口までのコンクリートの敷石。ヒビが入った部分をガムテープで補強したガラス扉。入り口のすぐ脇に横倒しになっている古い三輪車。
何もかもが記憶のまま。
ここで過ごした日々がまざまざと蘇ってくる。楽しかったことも・・・そして辛い思い出も・・・。
火が出たとき、古い木造ということもあって、あっという間に炎がまわり、手の施しようがなかったらしい。駆けつけた真田は、焼け落ちる建物を泣きながら見つめていることしかできなかった。
何度、夢に見ただろう。あの時、外に出ずに美紀と一緒にいたら・・・。
真田は頭を振って、その考えをかき消した。まずは事態の把握が優先だ。感傷にふけっていても仕方ない。しばらく外から建物を見つめていたが、ともかく入り口に向けて足を進めることにした。タルタロスにいたはずが、こうして有り得ない建物の前にいる。非現実な世界に足を踏み入れているのは間違いない。ここでは何が起きてもおかしくはないのだ。気を抜いてはいけない。
門から短いアプローチを抜けて玄関へと、慎重に足を進める。
予感がした。
古いガラス扉を開けると、そこに・・・一人の少女が立っていた。
予感のとおり、小学校低学年の・・・亡くなったときのままの姿で。
「美紀・・・。」
真田は小さ
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