第2章:奔走
第10話 『集いし想い』
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……ッ」
洸夜が声をかけた瞬間、友希那は踵を返し逃げ出す。
「あ、おい!」
「友希那!」
リサと洸夜は、遠ざかる友希那のの背を追いかけ走り出す。
そんな2人は、住宅街を走り抜け大通に出る。
「湊……は……?」
息を切らしながら、洸夜は周囲を見渡す。
「洸夜……あそこ……」
リサの指差す先には、走る友希那の姿があった。
再び2人は友希那を追いかける。
そして、大きめの横断歩道を渡る友希那。
それに続いて渡ろうとする2人であったが、信号が赤に変わってしまい渡ることができなかった。
「ヤバイ……日が落ち切る……」
荒い息を整えながら、呟やく洸夜。
その数秒後、リサの方に向き直った洸夜はこう告げる。
「リサ、先に帰ってくれ」
「え……なんで?」
「これ以上暗くなると危ない……」
洸夜の言う通り、既に陽は沈んでおりあたりは暗くなっていた。
「でも……」
「???リサは、友希那と幼馴染みだったよね?」
「え、そうだけど……」
突然の言葉に戸惑うリサ。
それを理解しながら、洸夜は続ける。
「なら、家で待っていてあげて。友希那が戻るのを」
「でも……」
「もし、危険な目にあったりしてバンド続けられなくなったら元も子もないだろ? だから、家で待ってて欲しいんだ。必ず、湊とは話をつけて来る」
「本当に……?」
「ああ」
リサの目を見ながら頷く洸夜。
それを見たリサが口を開く。
「気をつけてね」
「うん」
返答した洸夜は、踵を返す。
それと同時に信号が変わったため、走って横断歩道を渡っていく。
そして横断歩道を渡り、しばらく進んだところで足を止める洸夜。
そんな彼の視線の先には、十字路が待ち構えている。
「どこに……行ったんだ……」
友希那がどの方向に進んでいったのかを考えながら呟く洸夜。
「早く見つけねぇと……」
自身の焦る気持ちを抑えながら、彼は目を瞑る。
そして、逃げるように走る人間???友希那の行動について深く考える。
「今のあいつなら……恐らくだが……」
目処を付けた洸夜は、正面の道へと踏み出す。
「変なことに……巻き込まれないでくれよ……」
本音を零しながら、走り出す洸夜。
そんな感じです正面の道をしばらく進んだ時、彼の視線はとある場所に止まる。
「公園……?」
普段ならば絶対に気にならないであるはずだが、その時の洸夜は何故だかその公園がとても気になっていた。
「なんでこんなに気になるんだ……まさか?」
何かあるに違いない。
そう確信した洸夜は、公園の中に入る。
辺りを見渡しながら公園の並木道
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