暁 〜小説投稿サイト〜
その日、全てが始まった
第2章:奔走
第10話 『集いし想い』
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掛ける。

「洸夜みたいに……?」
「……うん。俺みたいに、夢を諦めて欲しくないんだ。Roseliaとしての“夢”を」
「Roseliaの……の夢……」

 繰り返すように呟くリサの言葉に頷く洸夜。

「高み……『FWF』という舞台に立つ。俺は5人のその夢を本気で応援したいと思った。だから、コーチの件も引き受けた」

 でも、と言って洸夜は続ける。

「俺は夢を見ることを諦めた。だから、Roseliaの夢に自分の夢を託してる部分もあるかもしれない。でも、これだけははっきりと言える。夢を諦めたものなりに夢を叶える手伝いをしたい。これだけは、紛れもない本音だ」

 そう言い切った後、要するにと補足する。

「一緒に、あの舞台に行きたいんだ」
「ねぇ、洸夜」

 補足した直後、リサに呼ばれる洸夜。

「なに?」
「友希那と、話してくれない?」
「湊……と?」
「うん……もちろん、私も一緒に行くよ?」
「お、おう。でも、なんで俺なんだ?」

 洸夜の問いかけに、『それは……』と言ってリサは答える。

「今バラバラになったRoseliaをまとめ直せるのは友希那しかいない。そして、今の友希那と話せるのは洸夜しかいないよ」
「俺が……?」

 意外な言葉に驚く洸夜。
 そんな彼に対して、リサは頷く。

「うん……だから、友希那がどうしたいのかを洸夜に聞いて欲しいの」
「そう言うことか……分かった」
「ありがとう」
「良いって事。それに……湊ともいずれ話さないととは思ってたしな」
「そうなの?」
「うん……っと、ポテトが冷めそう」

 呟いた洸夜は、ポテトに手を伸ばす。

「あ……リサも食べる?」
「いいの?」
「ああ。俺の奢り」
「それじゃあ、遠慮なく☆」

 普段と同じ調子に戻ったリサは、トレーの上に乗っているポテトを手に取り口へと運ぶ。

「奢りとは言ったけど程々にしてよ……」
「えー、どうしようかな」

 そんな具合の会話をしながら、2人はポテトを食べ進めて行くのだった???





 ポテトを食べ終えファーストフード店を後にした2人は、帰路に着いていた。
 既に日は傾き始め、空は茜色に染まりつつある。

「取り敢えず……どうやって湊にコンタクトするかが問題だな」
「だね……」

 友希那と話すためにはどうしたら良いかを相談する2人。
 だがしかし、これと言っていい案が浮かばないままであった。

「まあ、今はどうこうならないだろうから家帰ってからもう1回考えてみるわ……あ」
「ん? どうかし……友希那?!」

 2人は友希那と鉢合わせる。
 そのことに唖然とする洸夜だったが、すぐ我に帰り口を開く。

「湊……」

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