暁 〜小説投稿サイト〜
その日、全てが始まった
第2章:奔走
第10話 『集いし想い』
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 そんな空気を打ち壊すかのように、洸夜が口を開く。

「その……なんか買ってくるわ」
「う、うん……」

 そう言って席を立った洸夜は、俯いたままレジへと向かう。

「こちらどうぞ〜」

 店員に呼ばれレジへと向かう。

「いらっしゃいませ……あ」

 店員の言動に疑問を覚えた彼は、即座に顔を上げる。

「日菜ちゃんの……お兄さんの……洸夜君だよね?」
「えっと君は確か……丸山……だったっけ?」

 レジにいたのは、日菜の所属するPastel*Palettesのボーカル担当である彩。

「うん。こんなところで奇遇だね」
「あ、ああ……丸山はバイト?」
「そうだよ。後、私の事は『彩』で構わないよ〜」
「お、おう……わかったよ彩」
「ありがとう! それで、ご注文は?」
「あ、え、あー……ポテトのLサイズ2つで」

 しどろもどろになりながらも注文した洸夜は、代金を払う。

「出来上がるまで少々お待ち下さい」

 こくりと頷いた洸夜は、レジを離れ近くの壁に寄りかかる。

「さて……どうしたものかね……」

 呟いた彼は、大きく溜息を吐く。
 そんな調子でいること数分後。

「お待たせしましたー!」

 受け取り口で、ポテトの乗ったトレーを持った彩が洸夜を呼ぶ。

「ありがとう」

 トレーを受け取った洸夜は彩にお礼を言い、席へと戻る。

「お待たせ」

 トレイをテーブルの上に置いた洸夜は、再びリサの向かい側に腰掛ける。

「何頼んできたの……?」
「ポテトのLサイズを2つ」

 答えた洸夜は、改まってリサの方へと向き直る。

「で……いきなりで申し訳ないけど、リサはどうしたい?」
「え、どういうこと?」
「……悪い、主語が飛んだ。Roseliaのことでリサはどうしたいか教えてくれ」

 洸夜の言葉を聞いたリサは俯く。
 そんなリサを洸夜はただただ見つめていたが、そっと言葉を紡ぐ。

「今すぐに……とは言わない。自分の意思が固まってから???」
「……たい」
「……え?」
「私は……Roseliaで……あの4人と……続けたい!」

 真っ直ぐな視線で洸夜を見つめながら、リサはそう答える。

「嘘偽りは、無いな?」
「うん」

 洸夜の問い掛けに、ゆっくりと頷くリサ。
 それを見た洸夜は、微笑む。

「良かった。リサも続けたいと思ってくれてて」
「つまり洸夜も……?」
「ああ。俺は、リサ達5人が奏でる“音”が好きだからな。だからこそ、Roseliaにはバラバラになって欲しくない」
「洸夜……」
「そして何よりも……俺みたいに……なって欲しくない……」

 そう告げた洸夜は俯く。
 そんな洸夜に、リサが問い
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