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その日、全てが始まった
第2章:奔走
第10話 『集いし想い』
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「というわけさ」
「なるほど」
「ああ。さて」

 そう言って立ち上がる祐治。

「自販機行こうぜ。喉渇いてきた」
「ん。その代わり、なんか奢ってくれよ?」
「ま、考えとく」
「そこは素直に肯けよ」

 そんな風に会話を繰り広げながら、2人も教室を後にしていくのだった???





 その日の晩、暗い浴室の中で湯船に浸かる洸夜はひたすら考えていた。

「果たして……俺のやっていることは正解なのだろうか」

 そんな言葉を零しながら、窓から僅かに差し込む月明かりによって照らし出された天井を眺める。
 今日の昼休み、彼は燐子に『明日あこと共にCiRCLEに併設されたカフェテラスに来て欲しい』と言った趣旨のメールを送った。
 だがしかし、彼は未だにそれが本当に正しかったのかが分からないままでいた。

「取り敢えず……今はできることを……だな」

 自身の中の不安を振り払いそう意気込む洸夜。
 その直後、風呂の温度故か急激な睡魔に襲われる。

「んん……眠い……」

 そして勢いに負けた彼は、その両瞼を閉じる。
 湯船から伝ってくる温もり。
 それに加え、意識があるまま眠っているようなあの独特な感覚に洸夜は安らぎを感じる。

「ああ……」

 そんな風に微睡んでいると、突然浴室の明かりがつけられる。

「……んん?」

 何事か、と思いながら瞳を開き周囲を見渡す洸夜。
 すると彼の視線が、浴室の扉の先に人影を捉える。

「……へ?」

 見間違いかと思いながらも、一度瞬きし再度そちらをみる。
 直後、浴室の扉が開かれ一糸纏わぬ姿の日菜が現れる。

「「あ……」」

 目があった2人は、暫しの間硬直する。
 硬直の後、静寂を突き破るかのように洸夜が湯船の中へと自身を沈める。

「ご、ごめんね!」

 硬直が解けた日菜は、謝罪の言葉を述べると慌てて扉を閉める。
 しかしながら、この時の日菜の声は水中にいた洸夜の耳には届いていなかった。
 その数分後、湯船に身を沈めていた彼は浴槽から這い出て脱衣場へと向かう。

「マジかよ……」

 先程のことで溜め息を吐く洸夜。

「まさか妹とはいえ……裸見る羽目になるとか……」

 彼の脳裏には局部こそ湯気により映らなかったが、日菜の姿がはっきりと焼き付けられている。
 それを思い出した途端、彼は壁に頭を打ち付ける。

「なに考えているんだ俺は!」

 痛みの余り涙を滲ませながら額を摩る彼は、足早に着替えると脱衣所を後にする。
 その後彼は逆上せてしまっていたようで、リビングに移動したところで突然倒れてしまい日菜によって部屋に運ばれるのであった???





 翌日、あ
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