第二十七話 データディスクの奪還
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そしてヴァンはエール達の会話を尻目に、落ちていたデータディスクを回収した。
『ヴァン…そのデータディスクは…!』
「ああ、あの調査隊のレポートが入っているデータディスクだ。エール、こっちに来てくれ。まずはここを出よう」
酸素ボンベの酸素も心許なくなってきたので、酸素を補充する意味も含めてここを出ることにした。
シャッターを潜って部屋を出て水中から出ると、エールは酸素ボンベを取り出して新鮮な空気を吸った。
「はあーっ、新鮮な空気ってこんなに美味しいんだ」
「特にエールはずっとボンベで呼吸してたもんな…」
ヴァンはプレリーから受け取った小型端末にデータディスクを挿し込むと、あの時のレポートの続きが記されていた。
《セルパンは調査隊を全滅させ、調査隊のデータを全て消去した後、モデルVの欠片と共に姿を消した。だが、イレギュラーにそこまでの知能があったというケースはない…ならば…彼はモデルVによってイレギュラー以外の“何か”になったということになる。そう、モデルVはイレギュラーを超える、恐るべき敵を生み出す力を持っているのだ。我らが盾となっている内に司令官は上手く逃げ切れただろうか…》
『お姉ちゃん…この時はみんなに助けられて逃げられたんだ…』
「良かったなプレリー、お姉さんが生きているかもしれないんだからな」
『ええ…お姉ちゃん…絶対に見つけるから…』
プレリーの声は掠れていたが、ヴァンとエールは気付かない振りをする。
「それにしても、イレギュラーを超えた恐ろしい敵って…」
「セルパンはモデルVの適合者だから、多分、イレギュラーを超えた敵って言うのはモデルVのロックマンって意味じゃないのか?」
「あ、そうか」
レポートで見た内容でさえ、モデルVがとんでもない代物だと分かるので、そう思うのが自然だろう。
「続きを読むぞ」
「うん」
再びレポートの続きを読む二人。
《…それにしても、モデルVの欠片には他の仲間も触れていたのに何故彼だけがこんなことに…?私の記憶が正しければセルパンが他の者とは違っていた点が一つある。彼はイレギュラー襲撃に遭いあがらも、奇跡的に助かった生存者なのだ。彼はその恐怖を振り払うかのように、誰よりも熱心に研究していた。恐らくは、その心の隙をモデルVに利用されていたのではないだろうか…?だが…今となっては、モデルVの目的が何なのか知る術はない。私ももう長くはない…このデータが心正しき者の手に渡ることを祈る…》
「データはこれで終わりだな…まさかセルパンもイレギュラー襲撃の被害者だったなんて…」
憎い敵だが、まさかセルパンも自分達と同じ境遇だったことに驚きを隠せない。
『セルパンは、このデータが外に漏れるのを恐れて
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