075話 記憶巡り編 とある視点で見る記憶 その2
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が弓道部に入る事になって姉御肌の同級生である女の子である『美綴綾子』さんとも知り合いになって、それでもとから天才肌であった慎二さんも弓道部に入って、しかも高校での担任で弓道部の顧問でもある藤村先生がいて、士郎さんの周りは一気に色づいていった。
…………というより、藤村さんが学校の先生でしかも担任とか、それってどこのギャルゲー攻略キャラの一人だ!とも思う気持ちがあった。
でも、もし藤村先生が攻略キャラだとしても、士郎さんに対して、
『士郎ー、ケッコンしよー』
『いいよー』
と、たった三秒で終了してしまうかもというくらいのフランクさがあると思うのはわたしだけだろうか……?
それから夏の大会まで士郎さん、慎二さん、綾子さんの三人が中心になって一年生にしては弓道部で頭角を現していった。
特に士郎さんは三人の中で群を抜いていて矢を放てば必ず当たるという正確さをこの時から維持していた。
「士郎さんってこんな時から弓の腕は抜群だったんですねー」
と、ネギ君が言うが、イリヤさんが平坦な声を出しながらも、
「いえ、シロウのはある意味邪道なのよ。だって、魔術を使う延長線上でしかないんだから眼に魔力を流して精神統一すれば普通の人間が敵う訳ないんだから」
「「「「あー……」」」」
それですぐに納得するアスナ達。
だけど、そんな中で士郎さんがバイト中に腕をケガしてしまい、弓道の大会に出れなくなってしまい、士郎さんは部のみんなに迷惑が掛かるという感じであっさりと弓道部を辞めてしまった。
辞める際に、慎二さんに、
『衛宮さ、こういう時にケガするって何考えてんだよ? しかも部も辞めるって……本気かい?』
『ごめん……。でも、俺がいなくっても慎二がいてくれればなんとかなるだろ……』
『そういうことじゃ!……ああ、そうかい。わかったよ……』
それからというもの、士郎さんと慎二さんの仲は少し悪くなっていく事になる。
慎二さんもどこか複雑な感情を抱いているようだったけど、いまのわたしにはどういった心情かは計りかねない。
多分だけど、士郎さんの事を思っての事もあるだろうけど、それより対等な人物が簡単に張り合える事で辞めてしまったのでやりきれない感情を抱いたんだろうと……。
いや、それ以上の事もあると思う。
でも、もうわたしの予想ではそれは窺えないんだろうなぁ……。さっきのイリヤさんの反応も含めて。
それから家に帰って片腕が使いづらい士郎さんはそれでも魔術の訓練をしようとしているのだが、そんな時に雨が降っている中で衛宮邸にやってきた一人の少女の姿。
玄関を開けた士郎さんが見たのはすでにずぶ濡れになっていて、そして無表情でどこか精気が少なそうで薄幸そうな感じがする女の子。
『君はたしか慎二の
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