暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第32話:三つ巴の争奪戦・その4
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「何で止めんだよ!?」

 今の響に近付くのは危険すぎる。そう判断して透はクリスを宥めるが、クリスは意固地になっており納得してくれない。

 動きを止めた2人を、暴走した響が見据える。
 そして、その手に持ったデュランダルを振り下ろそうとした。

 あんなものが振り下ろされたら、薬品に引火してここら辺一帯が火の海になる。弦十郎達の避難も間に合わない。

「ヤベェな、止めるぞ奏!」
「あぁっ!」

 颯人と奏は被害を最小に抑える為に動き出す。

 今からでは響を宥めるのは難しい。となると、出来る事と言えば響が振り下ろしたデュランダルの一撃を何とかして止めるしかない。

 どうするべきか? 考え込む奏の肩に、颯人が手を置いた。

「奏、お前の『LAST∞METEOR』で俺を響ちゃんに向けて吹っ飛ばせ」
「はぁっ!? 何言ってんの!?」
「俺がさっきメデューサに使った奴を、お前の技で飛ばすんだよ。俺と奏の合わせ技だ」

 いきなりとんでもない事を言い出す颯人に、奏は思わず面食らうがあれを止めるとなると普通の技では撃ち負けることは容易に想像できた。
 普通の方法で駄目なら、普通でない方法に頼るしかない。

 しかし問題は颯人の方だ。言ってしまえば彼は奏の技とデュランダルの一撃、二つの力に挟まれることになる。
 そんな状況に耐えられるだろうか?

「颯人は大丈夫なのか?」
「心配するくらいなら全力で歌ってくれ。俺は奏の歌があれば何時でも全開だからな」
「何だよそれ」

 颯人の言葉に奏は思わず笑みを浮かべる。こんな状況下にありながら、こんな軽口を叩く彼に若干呆れもした。

 だが同時に覚悟も決まった。彼がこうまで言ってくれるのだから、それに応えなければ女が廃る。

「行くぞ颯人!!」
「おっしゃ、来い!!」
〈チョーイイネ! キックストライク、サイコー!〉

 駆け出し、飛び上がると響が振り下ろしたデュランダルの放つ光の奔流に向けてストライクウィザードを放つ。

 その彼の背を押すように、奏が穂先を回転させた竜巻を放った。

「行けぇぇぇぇッ!!」
[LAST∞METEOR]

 普段であればノイズを穿つ竜巻は、この時ばかりは颯人を押し出す追い風となった。

 ただでさえ高威力の跳び蹴りが、奏の必殺技のバックアップを受けて勢いと威力を増しデュランダルの一撃とぶつかり合う。

「ぐぅぅぅぅっ!!」

 とは言え、これだけですんなり何とかなれば世話は無い。拮抗はするが、やはり颯人の方が押されていた。

 想像以上の威力を持つデュランダルの一撃に、颯人が苦悶の声を上げる。
 その彼の耳に、奏が紡ぐ歌声が響く。

「今を生き抜く為に! 私たちは 出会ったのかもし
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