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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第32話:三つ巴の争奪戦・その4
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れをまともに喰らえば堪ったものではないだろう。

「こいつでぇっ!!」
「くっ!?」

 自身に迫る必殺の一撃を見て、メデューサは回避しようとするが間に合わない。
 颯人は己の勝利、メデューサの敗北を確信し――――

「メデューサ様ッ!?」

 あと一歩と言うところで、響の一撃で動けなくなっていた筈のメイジが割り込みメデューサを守ってしまった。

「ぐあぁぁぁぁぁっ?!」
「こいつッ!?」
「ふっ、ご苦労!」

 直前で邪魔が入りメデューサを倒し損ねたことに颯人は焦りを感じ始めた。
 ストライクウィザードは魔力消費の大きい技だ。それに加えて今回は他にも魔法を何度も使用している。正直、もうそんなに魔法は使えそうにない。ストライクウィザードなど、次に使ったらそこで魔力がそこを尽きてしまう。

 敵の戦力はクリスと透、ジェネシス側が幹部2人と雑魚が3人と言ったところか。
 ハッキリ言って、かなり厳しい。

 颯人が現状に内心で冷や汗を流し始めた時、不意に戦場に響の雄叫びが轟いた。

「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「何だ!?」
「響ッ!?」

 声につられて颯人達がそちらを見ると、響がデュランダルを手にしている光景が見えた。
 ただ響の様子が明らかにおかしい。顔は黒い影の様な物で覆われ、目は赤く光っている。声も理性があるとはとても言えず、何らかの異常が発生していることは明白だった。

「おいおいおいおい! ありゃ一体どういう事だ!?」
「そんなのこっちが知りたいよ!? 了子さん!! 旦那!!」

 不可解な事態に、颯人と奏は弦十郎と了子に説明を求めた。少なくともこの分野の天才・了子ならば、何かしら知恵が働くだろう。

 対して、メデューサは状況を冷静に分析していた。

「デュランダルの力に飲み込まれたか…………このままだとこちらもとばっちりを受けるな」

 それとなく危機感を感じていたメデューサは、速やかに撤退の判断を下した。

「ここは退いた方が無難か。ヒュドラ!」
「え〜、もう帰んのかよ?」
「これ以上はこちらの被害が大きくなるだけだ」
「収穫無しで帰るのか?」
「収穫ならあったさ。裏切り者が、何処に居るのかが分かったのだからな」

 そう言うとメデューサは未だヒュドラを警戒しつつクリスの方にも意識を向けている透を一瞥し、ライドスクレイパーに乗ってその場を飛び去って行った。
 1人で飛んでいくメデューサに、ヒュドラは慌てて自身もライドスクレイパーを取り出し飛び立つ。動けるメイジ達もそれに続いた。

 脅威が去った事で、透は響に飛び掛かろうとするクリスを必死に宥めに掛かった。

「そんな力を、あたしに見せびらかすなぁぁぁっ!?」
「…………!?」

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