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ドリトル先生の競馬
第三幕その十

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「あの国とはね」
「何かと対抗意識あるから」
「一体どれだけ仲が悪いか」
「もう言うまでもないよ」
「僕はフランスは嫌いじゃないけれど」
 先生個人はそうなのです。
「というか嫌いな国はないね」
「先生はそうよね」
「嫌いな人もいないし」
「これといって」
「フランスも嫌いじゃないね」
「別にね。ただ本当に二国の関係は」
 どうしてもというのです。
「悪いとしか言い様がないね」
「そうよね」
「ライバル関係にあるから」
「それこそお互いの国がある限りね」
「国が出来てからだよね」
「お互いの国がね」
「フランスはオーストリアとも仲が悪かったけれどね」
 このこともお話した先生でした。
「イギリスだけでなくて」
「あの国ともなんだね」
「フランスは仲が悪かったんだ」
「これは家同士だったんだ」
 その関係でというのです。
「フランス王家と神聖ローマ皇室がね」
「王様と皇帝」
「そちらが仲が悪くて」
「それでなんだ」
「両国は仲が悪かったんだ」
「フランス王家はヴァロワ家で」
 この家でというのです。
「神聖ローマ皇室はハプスブルク家だったんだ」
「あっ、オーストリアの」
「オーストリア皇帝の家だね」
「あの家は神聖ローマ皇帝でもあって」
「それでなんだ」
「そうだよ、両家は物凄く対立して」
 そしてというのです。
「イギリスとフランスは百年戦争をやったけれど」
「オーストリアともなんだね」
「百年戦争みたいだったんだ」
「そんな戦争していたんだ」
「そうだったんだ」
 まさにというのです。
「フランスから見れば百年戦争に勝ってすぐ後に」
「今度はハプスブルク家とだね」
「戦争をしたんだ」
「今度は神聖ローマ帝国と」
「そしてオーストリアとも」
「果たしてイギリスとどちらがね」
 それこそというのです。
「仲が悪かったか」
「ううん、凄いね」
「イギリスとあれだけやり合って」
「それでオーストリアとも同じ位って」
「フランスもよくやったね」
「僕もそう思うよ、そういえばフランスも乗馬がいいね」
 今度はこちらのお話をするのでした。
「あの国もね」
「あっ、そうだね」
「あの国もだったね」
「平地が多いからね」
「それで乗馬がしやすいからね」
「今は自転車もいいけれど」 
 それだけでなくというのです。
「乗馬もね」
「それもだよね」
「いいんだね」
「そういえばナポレオンの時騎兵隊よかったね」
「かなり強かったわ」
「あの時のフランス軍はいい将軍もいたし」
 騎兵隊を率いる将軍にというのです。
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