第1部
アッサラーム〜イシス
シーラとアッサラーム
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も相まって親しみやすい印象を与える。けれどその深い瑠璃色の瞳は、女の私でも見つめられるとドキドキしてしまうほど魅力的であった。
「あー! 久しぶり、ビビっ!」
「やっぱりシーラ! やだー、全然変わってなーい! って、半年前に行ったんだから当たり前か」
きゃーきゃー言い合いながら、お互い抱きしめあう二人。ひとしきり再会の喜びを分かち合ったあと、戸惑う私たちにようやく気がついたのか、ビビと呼ばれた美女は、はたとこちらを見る。
「あらやだ、友達も一緒だったの?! やだー、恥ずかしい!」
「はじめまして、ミオといいます」
「どっ、どうも! オレ、ナギって言います」
「……ユウリだ」
いつもの無愛想なユウリはともかく、いつになくナギが動揺している。顔を真っ赤にしながら、一度も聞いたことのない敬語を使うナギは違和感ありまくりだった。ひょっとしてナギって、美人に弱いのかな?
「あのねー、ユウリちゃんはね、勇者なんだよ! そんでね、あたしたちね、魔王を倒しにあっちこっち旅してるんだよ♪」
「えーっ!? 何それすごくない?! シーラってば、魔王倒しちゃうの?」
「えへへ〜、そうなっちゃったらスゴいよね☆」
「カッコいい〜! ……あっ、私ったらまた! ごめんなさい、自己紹介がまだだったね。私はビビアン。この劇場の踊り子で、仕事仲間のシーラとはよく飲みに行ったりしてたの」
そういって、ふんわりとした笑みを私たちに見せた。みるみるナギの頬が赤くなる。
「それで、一体何しにここへ? 魔王を倒す旅の途中なんでしょ?」
「それが、今日これから砂漠に向かおうとしたんですが、砂嵐の影響で行けなくなってしまったんです」
私が答えると、ビビアンさんは憂わしげな表情をした。
「そっか、それは災難ね。じゃあ今日はここで足止めってこと?」
「そーなの。だから今日は一日暇してるの♪」
こらこらシーラ、ウキウキしながらそういうこと言わない。現に今の言葉を聞いたユウリが青筋立ててるのが見えるんだから。
「うーん、だったら、あなたたちさえよければ劇場の準備、手伝ってくれない? 今ちょうど人手不足で力仕事できる人探してたの」
「はいっ、やります!」
すっかりキャラが変わってしまったのか、ビビアンさんの提案に、手をまっすぐに上げ即答するナギ。ユウリだけでなくシーラまでもが軽蔑するような目で彼を見ている。
「ありがとう。もちろんお礼は私たちの座長に言ってはずませてもらうから。んーと、これくらいでどう?」
指で表した金額は、日雇いでもらうには十分過ぎる金額だった。
「勇者さんにお手伝いしてもらうんですもの
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