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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
☆なによりあたしは、異常だった。
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ていた両手が、解放される。
すると今度は、その腕はゆっくりと背中と腰に回された。
「…。」
ずいと引き寄せられる身体。
抱擁。
先程の身体を押し付けるのとはまるで違う、優しい密着。
「申し訳ありません…少々追い込みすぎてしまったみたいです。」
「…いいよ。あたしもなんか…ムキになってた。」
ムカつきそうなほど大きな胸の感触を顔面で感じる。
なぜだろう。さっきまであんなに怒っていたのに、今では落ち着いている。
「…あたしさ…レズなんだ。」
「ええ。」
「これは間違ってるって、ずっと否定してた。」
「はい…。」
「誰かに助けて欲しかった。他の人と違くて、どうしたらいいか分からなくて…!」
気が付いたら心の内にあった悩みを吐露していた。
紫式部はただ、相槌をうってあたしの本音を聞いてくれている。
「怖かったんだ…あたしの本当を話したら、相談したら、友達とか先輩とか家族とか…今までの関係が壊れちゃうんじゃないかって。」
「怖かったんですね…。」
頭を撫でられる。
ああ、なんかスッキリする。
ずっと言えなかった悩みをこうして吐き出せた。
今まで心の中に詰まっていた泥みたいなものが、全部消えたみたいだ。
だから言おう。正直に。
「だからさ、"香子"…あたしを女にしてよ。」
そう頼んだ。
すると彼女はどこか嬉しそうに微笑み。待ってましたと言わんばかりに口を開いた。
「はい。葵様の仰せのままに。」
?
このネットカフェにはさっき紫式部が…いや、香子が結界を張ってくれたそうだ。
だから誰かが入ってくることもないし、化け物が入り込んでくる心配もない。
つまりこの場所は、あたしと香子だけの空間だ。
「ん…うん…っ?」
静かな空間。そこには水音と時節聞こえる声だけ。
手と手、指と指を絡ませ、汗ばんだ裸体をくっつけあわせて濃厚なキスを交わすあたしと香子。
それは夢だった。ずっとしてみたかったことだった。
女性と、こうして身体を重ねてみたかった。
そこにはただ、幸せな時間が流れるのみだ。
「あおい…さま…。」
「なに…?」
重ねていた唇を放し、蕩けた顔で香子は言う。
「ず、随分と積極的ですね…。」
「うん。今あたしさ、嬉しいんだ。」
「嬉しい…ですか?」
嬉しいのと積極的なことになんの関係があるのかと言われればそれは
「今までたまってたのを吐き出せて、それを香子は受け入れてくれたこと。あたしはあたしのありのままでいいんだって思えて嬉しかった…。だからこれはお礼。」
「お礼だなんてそん…なぁあっ??」
彼女のために割れ目を指でそっとなぞる。
ほんの少しだけ触れたのに、びくんと跳ねてあ
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