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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
☆なによりあたしは、異常だった。
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「現代風に言い直すならば、百合、れず、そういった辺りでしょうか?」

「…。」

事実を突き付けられたせいで、何も言い返すことが出来ない。

高校生になった辺りからだ。
やたらと女性を意識するようになったのは。
更衣室で着替えるときも目をそらしたり、やたらとくっついてスキンシップしてくる人にはとても困ったりした。

親や祖父母には相談しなかった。
だって自分でも分かる。これはれっきとした異常だ。
あたしはおかしい。どうかしている。
そう思っているハズなのに、この感情は抑えきれない。
特に大人しそうな、胸の大きな女性なんてムラムラ来るどころじゃない。
平静を装っていたように見えたとしても、心の内では思春期の男子中学生のように興奮しているのだから。

けど、

「…っ。」

キッとにらみつける。
命の恩人ではあるが、そう勝手に決めつけられてたまるか。
事実は事実。けど、ここで認めるわけにはいかない。
もしここで認めてしまえば、あたしは本物の異常になる。

それだけは…それだけはなんとかしなくちゃいけないんだ。

「まだ自分自身を認めないようですね…。」

「あ、当たり前だっての…それに、会って間もない人に決めつけられてたまるか…!」

「へぇ…ですが、」

片手が、解放され、紫式部の細い手が下の方へと伸びる。

「あ、ひっ…!」

「身体は正直ですね?葵様。」

その指が、すっとそこに触れる。
指先で割れ目をなぞり、その触れた手をあたしの目の前まで持ってきた。

「濡れておられますが?もしや葵様、攻められるのがお好きなようですね。」

「そ、それはシャワーが…」

苦し紛れの誤魔化しなのは分かってる。

「素直ではないのですね。仕方がありません。ならばここは奥の手を使いましょう。」

そういうと紫式部は、

「ん…んんっ!?」

あたしと密着し、唇を重ねてきた。
キスだ。あたしは今彼女とキスさせられている。

「ん…ん…っ!!」

彼女の舌が口内に入り込む。
生暖かい人肌の感触。あたしの中に、他人の唾液が混ざり合う。
ダメだ…頭がボーッとする。何も考えられなくなる…。
密着する肌と肌。
彼女の豊満な胸が、あたしの胸にこれでもかと押し付けられてくる。

やばい…"堕ちる"。
このままじゃ本当にダメになる…。
無理して動こうとするも、どうにもならない。
それよりか次第に、身体に力が入らなくなってくる。
まずい…まずい…!!

「ぷはぁ…っ!」

解放される。
堕ちる直前に彼女は離れた。
離れたとはいっても唇のみ、今でもその身体は押し付けられたままだ。

「如何でしたか?」

目の前に、彼女の顔がある。
とて
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