第80話
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。”慈悲”の意味は”慈しみ”や”憐れむ心”、そして”情け深い”事だから、それらの意味を考えると”慈悲”を司っている女神だから、少なくても”戦争”に対する忌避感等がありそうに思えるのだが……」
ガイウスのアイドスへの質問を聞いたトワは目を丸くし、アンゼリカは静かな表情で呟いたアイドスを見つめた。
「…………そうね。確かに私は争い――――――ましてや”戦争”を嫌ってはいるし、その争いによって生まれる多くの犠牲や悲劇はできれば避けたいとは思ってもいるわ。」
「そ、それじゃあ……!」
少しの間目を伏せて黙り込んで考え込んだ後目を見開いて静かな表情で答えたアイドスの答えを聞いたエリオットは明るい表情を浮かべた。
「――――――だけど、私は一度”人”に”絶望”しているの。」
「ひ、”人に絶望している”って……それじゃあ、どうしてその”人”のリィンと……」
(セリーヌ、おばあちゃん。アイドスさん――――――”慈悲の女神”が関わる”神話”だと確かアイドスさんは………)
(”人”の争いが激しくなっていく事で”人”の為に現世に残っていた神々が”人”の愚かさに呆れて次々と天界へと去って行く中、最後まで”人”を信じて姉の”正義の女神”と共に地上に残り続けたけど、結局”人”が自分達の言葉に耳を貸さない所が逆に争いを激化させた事に失意して天界へと去ったという内容だったわね。)
(うむ……それを考えると、ひょっとすると”慈悲の女神”は既に人の争いをなくすことも諦めているのかもしれぬの………)
次に口にしたアイドスの答えにアリサ達がそれぞれ驚いている中マキアスは困惑の表情で呟き、アイドスの答えに心当たりがあるエマは複雑そうな表情で小声でセリーヌとローゼリアに話しかけ、話しかけられたセリーヌは静かな表情で、ローゼリアは重々しい様子を纏ってそれぞれ答えた。
「そしてその”絶望”によって私もそうだけど、互いを愛し合っていたお姉様とセリカの”運命”も狂わされたわ。」
「『運命を狂わされた』………――――――!まさかとは思うけど、”神殺し”の誕生にはその件が関係しているのかしら?」
アイドスの話を聞いて察しがついたセリーヌは目を細めてアイドスに確認した。
「………………」
「アンタ……」
「い、今のセリーヌちゃんの推測に反論しないという事は………」
「恐らくだが、セリーヌ君の推測は当たっているという事だろうね……」
セリーヌの推測に対して反論もせず黙って苦笑を浮かべたアイドスの様子を見たセリーヌはアイドスが自分達の想像を遥かに超える過酷な経験をしてきたことを悟ると複雑そうな表情でアイドスを見つめ、不安そうな表情で呟いたトワの言葉にアンゼリカは重々しい様子を纏って呟いた。
「………だけど”人”によって”絶望”させられ、”運命”が狂わされた私やアストライ
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