第5話 シルヴィア姉様の教育方針と、不老の解除
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た体を動かそうとするも、びくともしない。
・・・一瞬、不埒なことを考えたりなんかしてないわよ?
ともかく、光が収まると私はさっそく鎖の1本を手に取る。
全身に魔力を流し、強化する。
もともとの魔力量が、人基準ではありえない量のために出来るこの儀式。
体にもどんどん魔力を流し、力で無理やり引っ張る。
「・・・あれ?」
そこにはぼろぼろの鎖。
なんだか拍子抜けするくらい簡単に壊れた鎖が手にあった。
ふとエヴァに視線を向ける。
「・・・」
「・・・」
なんとも気まずい空気を無視するように、他の鎖に向かった。
「これで10年間は、普通に成長するんだよね?」
私と一緒に隣を走るエヴァがそう問いかけ、私は頷いて答える。
あの後、あっさり全ての鎖を破壊した私達。
これでエヴァの不老は一時的に解け、10年後までは成長を続ける。
その後は不老に戻り、ずっと20歳のまま、という訳だ。
私達はそのまま1日過ごす予定だったのだが、すぐに片付け旅立った。
と言うのも、儀式中に使った魔力が思ったより大きかったので、近くに魔法使いがいれば魔力の流れによって存在がばれた可能性に思い至ったのだ。
そこですぐさま移動を開始。
ブーツの自動加速魔法の効果も利用して、すでに大分距離を稼いだ。
時刻は夕方近くになっている。そろそろ今夜の野営地を決めないと。
そんな事を考えていると、隣のエヴァが私を見ている事に気付く。
具体的には私の胸を、だ。
「ふふっ、羨ましい?」
マントから覗く、ローブを押し上げる胸。
その胸を持ちあげからかう・・・
「うん・・・私も義姉様みたいに綺麗になれるかな・・・」
つもりが義妹のピュアな口撃にあっさりやられました・・・・・・やるわね我が義妹よ。
「えぇ、エヴァならきっとなれるわ。体の成長は大体15歳くらいからかしら。個人差で前後もするけどね」
そう・・・成長する事ができるのだ。
それだけでも、いいのではないか。
何もかも私が背負い込む必要はないのだ。
今の時点ですでに、ただ守られているだけの存在ではないのだ、この義妹は。
だから私も、自然でいればいい。
気負うことなく、自然に2人で歩いていけばいい。
そんな事を思いながら、エヴァと共に走り続ける。
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