第5話 シルヴィア姉様の教育方針と、不老の解除
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それが世界の根幹に根ざしているため、原作開始後に呪いを解こうとしても、それすらも拒否される。
自分の無力感に沸々と怒りが沸き起こる。
如何にどうしようもないことだとしても。これだけの力を得てなお、目の前の義妹1人救えない。
そんな怒りに飲み込まれそうになる私を、エヴァは正面から抱きしめる。
「謝らないで、義姉様。そんなこと言わないで」
「え?」
「確かに最初は、悲しかったよ?人以外の存在になっちゃったんだって。でも今は感謝する事も出来るの」
「感謝?」
そう問いかける私に、エヴァは顔を上げまっすぐ見つめてくる。
いつか私が、彼女に心を伝えようとした時のように。
「この呪いのお蔭で、私は義姉様に会う事が出来た。この呪いのお蔭で、義姉様と一緒に歩くことが出来るんだから」
そう言い放つ彼女は、本当に10歳の少女なのか疑う。
それくらいの力強さを持っていた。
すると一転、おどけた悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「もちろん、私に呪いをかけた造物主とかいう人には、きっちり仕返しするけどね。父様や母様、皆の仇も取らないとね」
そうやって笑みを浮かべる彼女を眺めていると、私も笑みを浮かべる。
まったく、自分の弱さが恥ずかしい。
精神的には100年以上生きているはずなのに、まだ10年しか生きていない義妹に教えられるなんて。
エヴァ自身、呪いや両親の事含め、まだ完全には割り切れてないはずなのに。
守る側であろうとした自分の方が気遣われている。
情けない自分に苦笑しつつ、次から気をつけようと、これもまた寄り添う関係の1つではないかと、気持ちを切り替える。
「そうね・・・・・・ありがとう」
そう微笑み、抱きしめる。
エヴァも抱きしめ返してくれる。
それはまるで、これで良いのだと伝えているようだった・・・
しばらくして、落ち着いた私は儀式を再開する。
エヴァの願いどおり、10の数字を魔法陣に刻み、エヴァを中央に立たせる。
「いくわよ・・・いい?」
「うん・・・」
さすがに若干の緊張を見せるが、儀式を続行する。
「『我、汝が背負いし魔を祓う者!今ここに我が命ず!汝が魔を眼前に現せ!』」
膝をつき、魔法陣に手を触れながら魔導書に記された通りに詠唱する。
神様直々の魔法のせいか、始動キーはなかった。
そうして唱え終えると、魔法陣が強く発光。
そして陣のいたるところから、エヴァに向かって鎖が伸び、体に絡まる。
その数10本。
「エヴァ、大丈夫?」
「うん、私は平気・・・でも体は動かせない」
そうして鎖の絡まっ
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