第二十三話 プレリー
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、そうか…って、何でお前…そんなに所々焦げてるんだエール?」
「そこは気にしないで」
あの後は苦戦の連続でプレリーに料理の基本を教えつつ、何とか夕食の時間までに間に合わせることが出来たのだ。
時間に間に合わせた自分を褒めてやりたい。
そして食堂に行くと、ヴァンの席には少し身が崩れたハンバーグ。
「何で崩れてるんだ?」
「気にしないで食べて、味は保証するから」
物陰でジッと見ているプレリーとジルウェ。
ヴァンはハンバーグを口に入れて咀嚼する。
「………美味い」
「っ!!」
ヴァンの一言にかつてない勝利感を覚えたエールはガッツポーズを取る。
「でも味付けがいつもと違う…エールや先輩でもない…誰がこれをが作ったんだ?」
「プレリー…もがもが」
すぐに駆け付けてエールの口を塞ぐプレリー。
しかしその慌てぶりからこのハンバーグはプレリーが作った物なのだと分かった。
「このハンバーグ…プレリーが作ったのか?」
「え?」
「そうだぞヴァン、司令官が最近お前に元気がないからってエールと俺に教わって作ったんだぞ」
「ちょっとジルウェさん!?」
せっかくエールを黙らせたのにジルウェが喋ってしまった。
「そうなのか、プレリーありがとな」
そう言うとエール同様にプレリーとジルウェの所々焦げた格好を見つめる。
「何で三人揃って焦げてるんだ?」
「プハッ、実はプレリーは料理したことなくてね。何回も料理を爆発させちゃったの」
「爆発?」
「エール!」
何とかプレリーの手から抜け出せたエールが理由を暴露し、プレリーは顔を真っ赤にした。
「どうやらプレリーはお姉さんに子供の頃から危ないから包丁を持たせてもらえなかったみたいなの」
「…少し過保護すぎないか?」
過保護すぎる初代司令官に流石のヴァンも呆れてしまう。
因みに経験が全くないから失敗したわけで、エールに付きっきりで特訓してもらった結果、プレリーは料理を爆発させる頻度は減り、無事な作品はヴァンに振る舞うことが出来るようになった。
しかし爆発はなくなったわけではないので、時々爆発に巻き込まれて真っ黒になるエールの姿がガーディアンの保養施設で見掛けられた。
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