第8章:拓かれる可能性
第243話「反撃の兆し」
[9/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
つは、二人が姉妹神だと言う事。
実質的に、二人はそれぞれの“領域”を共有しているのだ。
姉妹だからこその、お互いの“領域”の強化で、二人は本領を発揮していた。
もう一つの理由は、二人の“性質”による。
エルナは“守る性質”で、ソレラは“守られる性質”だ。
ソレラの直接戦闘力の低さはエルナに“守られる”事で補い、エルナ自身もソレラを“守る”ために自身を強化している。
噛み合った“性質”故に相乗効果で強化されているのだ。
それこそ、他の神々の“性質”を受け付けない程に。
「ふっ!!」
遠距離からの攻撃は“性質”を用いた障壁で防ぐ。
肉薄してきた場合は、的確にその攻撃を弾いてカウンターを決めていた。
ソレラは、そんなエルナを理力で強化し、多数相手でも渡り合えるようにしていた。
「(……決定打がないのが難点ですね。元より、私もお姉ちゃんも攻撃に秀でた“性質”ではない。……やはり、皆さんの復帰を待つべきですか)」
エルナの支援の傍ら、ソレラは理力による誘導弾や砲撃で牽制する。
確かに敵の攻撃は防ぎ切っているのだが、こちらからの攻撃も届かないのだ。
ソレラはそれを理解しており、結局司達の復帰を待つしかなかった。
祈梨達の方も自身の相手に精一杯なため、助力は期待できなかったからだ。
「(……イリスは……まだ余裕を保っている……?まさか……)」
攻め手に欠けるとはいえ、ソレラは周りの観察をする余裕はあった。
そのため、イリスがまだ余裕を保っている事に気付く。
「(……余裕の表情……っ、まさか!?)」
そして、相対していた祈梨もそれに気づいた。
直後、イリスが口を開く。
「あの人間達が復帰するのを待っているようですが……こちらの戦力が、今この世界に来ている者だけだとでも?」
「ッ……!増援……!」
「ええ、その通りです!」
イリスが余裕だったのは、まだ追加の戦力があったからだ。
次元世界各地に散らばっている神々だけでなく、神界にもイリスの手先はいる。
その神々が、この世界にやってくるというのだ。
「この世界の“領域”もかなり侵蝕しました。故に、もう大きな穴を開ける必要はなくなりました。ちょっと刺激を与えれば……ほぉら」
地響きのような“揺れ”が、世界全てを覆う。
イリス達がやって来た衝撃とは違う、正しく地震のような“揺れ”だ。
そして、それが収まると、上空に靄のようなものが現れた。
視覚上では靄だが、それこそ神界と繋がる“出入り口”だ。
そこから、新たにイリスの手先が―――
「………あら?」
「……何も、来ない?」
――
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ