暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第243話「反撃の兆し」
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つは、二人が姉妹神だと言う事。
 実質的に、二人はそれぞれの“領域”を共有しているのだ。
 姉妹だからこその、お互いの“領域”の強化で、二人は本領を発揮していた。
 もう一つの理由は、二人の“性質”による。
 エルナは“守る性質”で、ソレラは“守られる性質”だ。
 ソレラの直接戦闘力の低さはエルナに“守られる”事で補い、エルナ自身もソレラを“守る”ために自身を強化している。
 噛み合った“性質”故に相乗効果で強化されているのだ。
 それこそ、他の神々の“性質”を受け付けない程に。

「ふっ!!」

 遠距離からの攻撃は“性質”を用いた障壁で防ぐ。
 肉薄してきた場合は、的確にその攻撃を弾いてカウンターを決めていた。
 ソレラは、そんなエルナを理力で強化し、多数相手でも渡り合えるようにしていた。

「(……決定打がないのが難点ですね。元より、私もお姉ちゃんも攻撃に秀でた“性質”ではない。……やはり、皆さんの復帰を待つべきですか)」

 エルナの支援の傍ら、ソレラは理力による誘導弾や砲撃で牽制する。
 確かに敵の攻撃は防ぎ切っているのだが、こちらからの攻撃も届かないのだ。
 ソレラはそれを理解しており、結局司達の復帰を待つしかなかった。
 祈梨達の方も自身の相手に精一杯なため、助力は期待できなかったからだ。

「(……イリスは……まだ余裕を保っている……?まさか……)」

 攻め手に欠けるとはいえ、ソレラは周りの観察をする余裕はあった。
 そのため、イリスがまだ余裕を保っている事に気付く。

「(……余裕の表情……っ、まさか!?)」

 そして、相対していた祈梨もそれに気づいた。
 直後、イリスが口を開く。

「あの人間達が復帰するのを待っているようですが……こちらの戦力が、今この世界に来ている者だけだとでも?」

「ッ……!増援……!」

「ええ、その通りです!」

 イリスが余裕だったのは、まだ追加の戦力があったからだ。
 次元世界各地に散らばっている神々だけでなく、神界にもイリスの手先はいる。
 その神々が、この世界にやってくるというのだ。

「この世界の“領域”もかなり侵蝕しました。故に、もう大きな穴を開ける必要はなくなりました。ちょっと刺激を与えれば……ほぉら」

 地響きのような“揺れ”が、世界全てを覆う。
 イリス達がやって来た衝撃とは違う、正しく地震のような“揺れ”だ。
 そして、それが収まると、上空に靄のようなものが現れた。
 視覚上では靄だが、それこそ神界と繋がる“出入り口”だ。
 そこから、新たにイリスの手先が―――

















「………あら?」

「……何も、来ない?」

 ――
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