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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第243話「反撃の兆し」
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に行い、お互いの体勢を整えるためにほんの僅かな間が訪れる。

「(躱されますか……)」

 そこを狙い、ルフィナの矢は予測して放たれていた。
 しかし、結局転移で躱されてしまう。

「(僅かとはいえ、隙を作り出す所までは可能。しかし、それ以上踏み込めない……と言った所ですね。現状は)」

「(転移によって、僅かな隙を潰される。でも、だからと言ってその転移を潰すための行動は―――)」

 ルフィナが転移を封じるための結界を張ろうとする。
 すると、優輝はミエラを無視してルフィナに突撃してきた。

   ―――“明けの明星”

「(―――確実に、潰してきますね)」

 結果、ルフィナは結界を張るのを中断する羽目になった。
 優輝の攻撃は一撃目を躱し、カウンターを放たさせた所へ自身のカウンターを合わせる事で、至近距離で相殺。
 理力と理力のぶつかり合いで、お互いに間合いが離れる。

「(攻撃性能はそこまで高くありませんが、防御性能に加え、確実に攻撃をいなす事でこちらの足止めがほとんど効かないという事ですね)」

 優輝との攻防自体は、そこまで厳しくない。
 だが、展開を打開するための一歩が踏み出せない。
 転移を封じようとしても確実に妨害され、妨害の妨害を行おうにも、導王流によって確実に受け流されてしまう。
 現に、ルフィナに突撃した隙で転移を封じようとミエラも結界を張ろうとしたのだが、優輝は吹き飛んだ体勢から転移し、ミエラの行動を阻止しにかかった。
 結局、仕切り直しだ。

「(“倒す”事を目標にすべきではないですね)」

「(戦闘不能に追い込んで洗脳解除。というのはシンプルですが、その方法は取れない……となると、やはり鍵は彼女達ですね)」

 相討ち覚悟であれば、二人で優輝を倒す事は可能だ。
 しかし、それでは状況は好転しない。
 だからこそ、二人は最善の“可能性”を求めた。

「そのためにも……」

「ええ、時間を稼ぎませんと」

 時間稼ぎ。
 二人の行動は、終始これに尽きた。









「はぁあああああああああああああああっ!!」

「っ……はぁっ!」

 一方で、他の神々と“天使”を請け負ったエルナとソレラも苦戦していた。
 何せ、二人は特別強い神ではなく、多勢に無勢でもある。
 しかし、それでも二人に一切諦めの文字はなかった。

「どうしたぁ!私達程度の神も、倒しきれないのかい!?」

「守り守られし“領域”は……そう簡単に破れません……!例え勝つ事は出来なくとも!負ける事はありえませんよ!」

 挑発するように大声で叫び、自らを奮い立たせる。
 多数の神を相手に、二人で持ち堪えられるのには理由があった。
 一
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