第8章:拓かれる可能性
第243話「反撃の兆し」
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したか」
「ええ。同じ天巫女ならば、受け継ぐ事ぐらい容易です」
現在の祈梨は、本来の力に加え、司が根源と接続した事による力も持っている。
同じ天巫女だからこそ、効果を受け継ぐ事が出来た半ば反則技だ。
「(……尤も、今なお“領域”はエニグマの箱によって弱り続けている。時間を稼ぐ事は出来ない……ならば、最初から全力でかかる!)」
そして、閃光が煌めく。
イリスの“闇”とぶつかり合い、相殺される。
その規模は凄まじく、余波だけでクレーターが出来上がる。
街にも余波の被害が出ているが、最早そんな事も気にしていられないだろう。
「はぁああっ!!」
「呑み込め!」
極光と闇がぶつかり合い、弾ける。
互いの攻撃は届かず、必ずどこかで相殺される。
拮抗はしており、むしろ祈梨が若干押している程だ。
しかし、弱体化し続けている現状、このままでは祈梨が負ける。
短期決戦を目指そうにも、そう簡単に勝てる程、イリスは甘くない。
「(理想は、他の方が戦いに勝利して加勢してくれる事。……いえ、皆さんが“可能性”を拓いてくれる事、ですね。信じなければ、可能性は掴めない)」
極光と闇が飛び交い、余波で荒れ狂う。
流れ弾とまでは行かないが、余波だけでも他の戦闘に影響は出るだろう。
……だが。
「はっ!!」
「ふっ……!」
それも並の戦いであるならばの話だ。
祈梨とイリスの攻防の余波を掻い潜りながら、ミエラとルフィナは優輝に挑む。
「(攻め切れませんか……!)」
「(これ程の戦闘技術……人の可能性とは、ここまでのものですか……!)」
戦法自体は、椿や葵、奏達が行っていたものと大差ない。
ミエラが前衛を務め、ルフィナが援護をするシンプルな構成だ。
違うのは、その速さ。
ミエラは二刀流で手数を補いつつ、堅実な攻防で導王流のカウンターに対処する。
その正確さは、奏が行っていた移動魔法による回避よりも安定していた。
加え、後方からルフィナが矢を放ち続ける。
偶に、なのはの魔力弾のように誘導弾を放ち、優輝を牽制していた。
「ッ!」
まさに阿吽の呼吸のようなコンビネーションを以って、導王流の極致によるカウンターに、完全に対処していた。
「はぁっ!」
「っ、そこです……!」
火花が散り、カウンターが繰り出される。
最早カウンターは確実に来ると考えているため、ミエラは冷静にそれを見切る。
体を捻り、その場でステップを踏むように回転。
そのまま斬りかかるが、受け流されて蹴りのカウンターが迫る。
もう一刀でその蹴りを斬ろうとするが、逆に受け流され、相殺される。
それを一瞬の間
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