第8章:拓かれる可能性
第243話「反撃の兆し」
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
,Ms〉
「ありがとうございます」
一方で、ルフィナはイリスへと矢を放ちながら、攻撃を避け続けていた。
その際に、レイジングハートに体の保護をお願いする。
レイジングハートの補助があれば、多少はルフィナの力も引き出せるからだ。
「彼すら決死の覚悟でなければ敵わなかった私に、たかが“天使”一人で敵うとでも思いですか!?」
「可能性はゼロではありませんよ……!」
迫りくる“闇”の触手を、ルフィナは“天使”の羽を羽ばたかせ、回避する。
躱しきれないものは矢で相殺または理力の障壁で逸らす。
そして、攻撃の波を掻い潜るように矢をイリスに向けて射る。
「ッッ……!」
“バチッ”と“闇”によって矢が相殺される。
直後、ルフィナは触手を掻い潜って肉薄する。
「我が身は明けの明星、曙の子。地に投げ堕ちた星、勝利を得る者!」
―――“明けの明星”
間合いに入ると同時に、攻撃を誘い込む。
そして、その攻撃を寸での所で回避し、理力を圧縮した光の弾を放った。
寸前でイリスは“闇”の障壁を張ったが、ルフィナを攻撃はそれを打ち破った。
「くっ……!」
「はぁっ!」
そのままルフィナは理力の剣を振るう。
しかし、近接戦に持ち込んでもイリスの攻撃の物量は変わらない。
波のように“闇”が差し向けられ、剣とぶつかり合った。
「(目晦まし!?)」
だが、その剣は囮だった。
“闇”とぶつかり合った瞬間にイリスの視界は閃光に染められる。
すぐに気配を頼りにルフィナの位置を割り当てる。
「そこですね!」
「ッ、そう上手くは行きませんか……」
ルフィナはイリスの背後に回り込み、弓矢を撃ち込んでいた。
しかし、イリスの察知の方が早く、結局防がれてしまった。
「(かなりの速度と威力を出しているというのに……やはり、存在を分かたれたばかりなために、出力が出しきれないようですね)」
それ以上踏み込んだ攻防は、今のルフィナには出来なかった。
ミエラもルフィナも、このままではジリ貧だろう。
「っ!?」
その時、横合いからイリス目掛けて極光が飛んできた。
咄嗟にイリスは“闇”で防いだが、その分ルフィナの攻撃を防ぎきれずに被弾する。
「お二方共、イリスの相手は私に任せてください!」
「っ……ええ、分かりました!」
極光を放ったのは祈梨だ。
シュラインに似た形状の理力の槍を手に、いくつもの魔法陣を携えている。
滲み出る理力は、他の神や“天使”が気圧される程に強い力を感じる。
「一時的なものですが……司さんも良い働きをしてくれました」
「……世界そのものの“領域”を、受け継ぎま
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ