暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第243話「反撃の兆し」
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「ありがとうございます」

 一方で、ルフィナはイリスへと矢を放ちながら、攻撃を避け続けていた。
 その際に、レイジングハートに体の保護をお願いする。
 レイジングハートの補助があれば、多少はルフィナの力も引き出せるからだ。

「彼すら決死の覚悟でなければ敵わなかった私に、たかが“天使”一人で敵うとでも思いですか!?」

「可能性はゼロではありませんよ……!」

 迫りくる“闇”の触手を、ルフィナは“天使”の羽を羽ばたかせ、回避する。
 躱しきれないものは矢で相殺または理力の障壁で逸らす。
 そして、攻撃の波を掻い潜るように矢をイリスに向けて射る。

「ッッ……!」

 “バチッ”と“闇”によって矢が相殺される。
 直後、ルフィナは触手を掻い潜って肉薄する。

「我が身は明けの明星、曙の子。地に投げ堕ちた星、勝利を得る者!」

   ―――“明けの明星”

 間合いに入ると同時に、攻撃を誘い込む。
 そして、その攻撃を寸での所で回避し、理力を圧縮した光の弾を放った。
 寸前でイリスは“闇”の障壁を張ったが、ルフィナを攻撃はそれを打ち破った。

「くっ……!」

「はぁっ!」

 そのままルフィナは理力の剣を振るう。
 しかし、近接戦に持ち込んでもイリスの攻撃の物量は変わらない。
 波のように“闇”が差し向けられ、剣とぶつかり合った。

「(目晦まし!?)」

 だが、その剣は囮だった。
 “闇”とぶつかり合った瞬間にイリスの視界は閃光に染められる。
 すぐに気配を頼りにルフィナの位置を割り当てる。

「そこですね!」

「ッ、そう上手くは行きませんか……」

 ルフィナはイリスの背後に回り込み、弓矢を撃ち込んでいた。
 しかし、イリスの察知の方が早く、結局防がれてしまった。

「(かなりの速度と威力を出しているというのに……やはり、存在を分かたれたばかりなために、出力が出しきれないようですね)」

 それ以上踏み込んだ攻防は、今のルフィナには出来なかった。
 ミエラもルフィナも、このままではジリ貧だろう。

「っ!?」

 その時、横合いからイリス目掛けて極光が飛んできた。
 咄嗟にイリスは“闇”で防いだが、その分ルフィナの攻撃を防ぎきれずに被弾する。

「お二方共、イリスの相手は私に任せてください!」

「っ……ええ、分かりました!」

 極光を放ったのは祈梨だ。
 シュラインに似た形状の理力の槍を手に、いくつもの魔法陣を携えている。
 滲み出る理力は、他の神や“天使”が気圧される程に強い力を感じる。

「一時的なものですが……司さんも良い働きをしてくれました」

「……世界そのものの“領域”を、受け継ぎま
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