第8章:拓かれる可能性
第243話「反撃の兆し」
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
記憶を覗かれないようにしていたというのですか……!」
そう。優輝は完全に洗脳される寸前、イリスに記憶を読み取られるのを予期し、読み取られないようになのはと奏に宿る存在について何も知らないように隠蔽したのだ。
あの時、優輝が薄く笑みを浮かべていたのは、これが理由だったのだ。
「……数が多いですね」
「ええ。でも、悠長に相手をしている暇はないですよ」
“天使”二人は、背中合わせとなって敵を迎え撃つ。
接近してくる者はカウンターで吹き飛ばし、遠くからの攻撃は躱す。
躱せそうにない広範囲攻撃は、圧縮した理力をぶつけ、上手く凌いでいた。
「手数を増やします。12秒持ち堪えてください」
「分かりました」
奏の方の“天使”がそう言って、一時的に戦闘をなのはの方の“天使”に任せる。
「アレンジ・ガードスキル“ハーモニクス”」
分身を生み出すスキル、ハーモニクス。
奏に宿る“天使”はそれをアレンジし、特殊な方法で分身を生み出した。
分身自体は、本来のハーモニクスと同じだ。
違うのは……
「……これ、は……?」
生み出された分身は、紛れもない奏本人だと言う事だ。
以前まで奏と“天使”が分離する事はなかったが、ここに来て“天使”が完全な自我を取り戻した事で、こうして分離させて意識を分身に移す事が出来たのだ。
「状況理解は私が写した知識と記憶で理解しなさい。貴女は、他の人の治療へ。……それと、これを返しておきます」
そう言って、“天使”はエンジェルハートを奏に投げ渡し、飛んできた理力の砲撃を理力を纏った手で逸らす。
同時に、肉薄してきた敵の“天使”に理力の剣を突き刺した。
「きっかり12秒。上出来です。ルフィナ」
「準備は終わりましたか?ミエラ」
「はい。後は任せます」
そう言って、奏に宿っていた“天使”……ミエラは奏を転移させる。
転移先は、祈梨が張った障壁の内側だ。
祈梨の張った障壁は、飽くまで敵対者の干渉を防ぐものなので、ミエラの転移は阻まれる事なく成功させた。
「ッ!」
「せぇりゃっ!!」
そんな二人に、新たに敵が襲い掛かる。
しかし、そこへエルナによる横槍が入る。
「洗脳された連中は私とソレラに任せな!……悪いけど、イリスとあいつには戦いになる気がしない。そっちは任せる!」
「了解です。そちらもお気を付けて」
エルナとソレラをその場に置き、ミエラとルフィナはイリスへと攻撃を仕掛けた。
「っ……邪魔はさせませんよ……!私が欲しいのは彼だけです!“天使”の貴女達には用はありません!」
「“闇の性質”らしい独占欲ですね。それとも、単なる嫉妬ですか?」
「黙りなさい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ