第8章:拓かれる可能性
第243話「反撃の兆し」
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ほど、このような事があるのですね〉
「……シュライン?」
その時、目を覚まさない司に握られたままのシュラインが発言する。
その言葉に、神夜は何か知っているのかと聞き返す。
〈預言の内容は覚えていますか?“天に祈る二人の巫女”……天巫女を示すこの言葉は、マスターとあの神を示していたのですよ〉
「あいつも、天巫女だっていうのか……!?」
〈はい。……それも、かつて全盛期のアンラ・マンユを消滅させた、マスターよりも強い歴代最強の天巫女です〉
預言に示された二人の巫女の片割れが、神界の神であるはずの祈梨だったという事実に、神夜は開いた口が塞がらなかった。
「……これは、何が起こっているのかな……?」
「っ、葵!」
そこへ、回復の早い葵が目を覚まし、尋ねてきた。
「見た所、敵だったはずの神が戦っているけど?」
「洗脳を解いた……って言っていたが……」
「……へぇ……」
全容は分からないが、今は味方していると葵は考える。
「とにかく、復帰が優先だね。回復魔法は使える?」
「……あまり得意じゃない。それに、力を奪われたせいで微々たるものだ」
現在の神夜は、転生特典を全てソレラによって消されている。
そのため、残っているのは転生後に鍛えた結果得た魔力と魔法だけだ。
「十分。目を覚まさせさえすれば、意志の持ちようで何とかなるよ」
今やるべき事を葵は優先して行う。
葵の言う通り、目を覚ませば意志次第で傷はどうにかなる。
実際、葵もいつの間にか傷を完治させていた。
「多勢に無勢には変わりないから、少しでもこちらの戦力を回復させないといけない。ほら、分かったなら早く!」
「あ、ああ!」
いつもの気楽な口調ではない、真剣な口調な葵。
そんな葵に従うように、神夜も拙い回復魔法を皆に使い続けた。
「(シャマルちゃんを最優先に回復。次点で司ちゃんかな。とにかく、今味方してくれている間に何とかしないと……!)」
味方しているとはいえ、葵は祈梨達を信用していない。
何せ、最初の時点で仲間のフリをしていたからだ。
だからこそ、皆の回復を急いでいた。
……一方、祈梨達の方では……
「シッ!」
「はぁっ!」
なのはと奏の体を借りた“天使”が、襲い来る別の“天使”をカウンターで倒す。
その様子を、イリスが忌々しそうに見つめていた。
「一体……一体どうやって、正体を隠していたというのです……!?彼の記憶を見たというのに、一切の痕跡が………まさか……!?」
何かに気付いたようにイリスは優輝に振り返る。
「……あの状態でも、決して
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