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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第243話「反撃の兆し」
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二人が正気に戻った所で……」

「はい。私と祈梨さんだけでは、この状況は切り抜けられません。……ですが、どうやら私達だけじゃなかったみたいです」

 ソレラのその言葉と同時に、敵の神二人が切り裂かれる。
 そこには、天使の輪と羽を持つ、見覚えのある二人の姿が。

「あれは……なのはと、奏……?」

「……“彼”が消えていないのなら、と天廻様は言っていましたが……そこにいたんですね。ずっと、人と共にいたのですね」

 そう。なのはと奏が……厳密には、その二人に宿る“天使”がそこにいた。
 あれほど、単純な戦闘力でも苦戦していた神々と、二人は互角に戦っている。
 それを見て、ソレラは手に自身の武器である杖を顕現させる。

「祈梨さんが耐えきると同時に、私達も出ます」

「“達”って……俺もか?」

「いえ。……覚えていませんか?私の姉、エルナを」

「覚、えてるが……」

 ソレラの姉を、神夜は転生する際に見た事がある。
 だが、その事を言われても今の状況にはピンと来ない。
 むしろ、当時魅了してしまった罪悪感に言葉を詰まらせていた。

「姉妹及び兄弟神におけるもう一つの特徴です。庇護される側は、いつでも庇護する側を呼び出す事が出来るのです」

 ソレラが説明すると同時に、祈梨の障壁と競り合っていた理力の攻撃が消える。
 そして……

「出番ですよ、お姉ちゃん!!」

 ソレラの叫びと共に、一人の女性がソレラの目の前に顕現した。

「あいよ!よく正気に戻ったな、ソレラ!」

「はい!お待たせです!……行きますよ!」

 そういうや否や、二人は神夜を置いてけぼりにして神々へと突っ込んでいく。
 ソレラの理力が、姉のエルナに流れ込み、強化する。
 そして、エルナが理力を拳に纏い、目の前に迫った“天使”を吹き飛ばした。

「お、おい!」

「祈梨さん!皆さんを頼みます!」

「はい!無理しないように!」

「了解!以前みたいな下手をしないさ!」

 戸惑う神夜を余所に、状況はさらに変化する。
 祈梨が理力で全員を集め、全員を障壁で囲む。

「“此よりは我が領域。何人たりとも干渉を拒む、聖域なり”!我が祈りに答えよ、プリエール・グレーヌよ!」

「っ……ジュエルシードが……!?」

 祈梨の声に何故かジュエルシードが反応し、理力が増幅される。
 その理力はそのまま神夜達を守る障壁となる。

「……では、後は回復に努めてください。私はイリスの足止めをします」

「……どういう、事なんだ……?」

 祈梨もまた、戦場へと向かっていく。
 状況を理解しきれない神夜は、戸惑いの言葉を呟くしかなかった。

〈……瓜二つとは思っていました……なる
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