第8章:拓かれる可能性
第243話「反撃の兆し」
[2/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
二人が正気に戻った所で……」
「はい。私と祈梨さんだけでは、この状況は切り抜けられません。……ですが、どうやら私達だけじゃなかったみたいです」
ソレラのその言葉と同時に、敵の神二人が切り裂かれる。
そこには、天使の輪と羽を持つ、見覚えのある二人の姿が。
「あれは……なのはと、奏……?」
「……“彼”が消えていないのなら、と天廻様は言っていましたが……そこにいたんですね。ずっと、人と共にいたのですね」
そう。なのはと奏が……厳密には、その二人に宿る“天使”がそこにいた。
あれほど、単純な戦闘力でも苦戦していた神々と、二人は互角に戦っている。
それを見て、ソレラは手に自身の武器である杖を顕現させる。
「祈梨さんが耐えきると同時に、私達も出ます」
「“達”って……俺もか?」
「いえ。……覚えていませんか?私の姉、エルナを」
「覚、えてるが……」
ソレラの姉を、神夜は転生する際に見た事がある。
だが、その事を言われても今の状況にはピンと来ない。
むしろ、当時魅了してしまった罪悪感に言葉を詰まらせていた。
「姉妹及び兄弟神におけるもう一つの特徴です。庇護される側は、いつでも庇護する側を呼び出す事が出来るのです」
ソレラが説明すると同時に、祈梨の障壁と競り合っていた理力の攻撃が消える。
そして……
「出番ですよ、お姉ちゃん!!」
ソレラの叫びと共に、一人の女性がソレラの目の前に顕現した。
「あいよ!よく正気に戻ったな、ソレラ!」
「はい!お待たせです!……行きますよ!」
そういうや否や、二人は神夜を置いてけぼりにして神々へと突っ込んでいく。
ソレラの理力が、姉のエルナに流れ込み、強化する。
そして、エルナが理力を拳に纏い、目の前に迫った“天使”を吹き飛ばした。
「お、おい!」
「祈梨さん!皆さんを頼みます!」
「はい!無理しないように!」
「了解!以前みたいな下手をしないさ!」
戸惑う神夜を余所に、状況はさらに変化する。
祈梨が理力で全員を集め、全員を障壁で囲む。
「“此よりは我が領域。何人たりとも干渉を拒む、聖域なり”!我が祈りに答えよ、プリエール・グレーヌよ!」
「っ……ジュエルシードが……!?」
祈梨の声に何故かジュエルシードが反応し、理力が増幅される。
その理力はそのまま神夜達を守る障壁となる。
「……では、後は回復に努めてください。私はイリスの足止めをします」
「……どういう、事なんだ……?」
祈梨もまた、戦場へと向かっていく。
状況を理解しきれない神夜は、戸惑いの言葉を呟くしかなかった。
〈……瓜二つとは思っていました……なる
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ