暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第31話:三つ巴の争奪戦・その3
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 了子がデュランダルの入ったケースを持ったままその場に転び、それと同時にメデューサの魔法が放たれる。

「あっ!?」
「了子君ッ!?」
「「了子さんッ!?」」

 弦十郎が、奏が、響が手を伸ばすが、無情にもそれが届くことは無い。

 そのまま了子にメデューサの魔法が迫る。了子は自身に迫る魔法を呆然とした様子で見つめ――――

〈コネクト、プリーズ〉

 直撃の寸前、颯人が魔法で了子を自分の近くに引っ張り出した。テレポートとどちらを使うか迷ったが、彼女の身の安全を確保する“だけ”であればこちらの方が早かったのだ。

 とは言え、これで確保できたのは了子の身の安全だけであった。彼が了子を魔法陣から引きずり出した時、突然引っ張られたことで了子はデュランダルのケースを落としてしまっていたのである。
 しかもタイミングがメデューサの魔法が直撃する寸前の事だったので、ケースが落ちる前に魔法がケースに直撃してしまった。

 忽ち石化していくケースに、約二名を除いて驚愕の表情を浮かべた。

「ッ!? しまった!?」
「あぁっ!?」

 見る見るうちにケースは石化し、それどころか罅が入り遂には砕け散ってしまった。それは当然、中に入っていたデュランダルも同様で――――

「ん?…………え!?」

 そう思っていたのに、ケースが砕けた後にはデュランダルではなくただの棒切れが石化したと思しき物があるだけであった。

 その光景に了子だけでなくメデューサも、奏と響、クリスですら理解が追いつかずその場でフリーズする。

「な、何で――――!?」

 咄嗟に了子はクリスをキッと睨み付け、彼女が首を左右に振るのを見て今度はメデューサを睨み付ける。

 当然メデューサにも心当たりはない為、睨んできた了子を逆に睨み返すと徐に颯人が天を仰ぎ見ながら声を上げた。

「あ〜あぁ、もうバレちまったよ。どうせなら俺の手で、じゃじゃーんってネタ晴らししたかったのになぁ〜」
「は、颯人君?」

 突然声を上げた颯人に、了子が彼の方を見る。

 いや、彼女だけではない。弦十郎を除く全員が一斉に颯人の事を注目した。

 その中で一早く状況を完全に理解したのは奏であった。彼女は確信した、この状況は全て颯人が仕組んだものであることを。

「颯人、お前何した? つかデュランダルは?」
「ん〜? 分からねぇ?」
「…………まさか――――」




***




 その頃、デュランダルを移送する予定の記憶の遺跡にて――――

「ん? 何だこれは?」

 警備の人間が巡回中に、物陰に奇妙なケースが置かれているのを見つけた。近付いてみるとそれには一枚の紙が張り付けてある。

『デュランダル在
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