コミューン崩壊と革命の失敗
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帝国軍が動き出したか……」
「どうするのです?」
「言うまでもない。当初の予定通り、ラグラン市へ撤退するぞ。首尾はどうだ?」
「既に完了しております。残りは我々だけです。」
「皮肉なことだが、我々が少数であることが好材料となったな……よし、我らは引き上げるぞ。」
ハンソンは事前に帝国軍の来襲を予想し、苛烈ともいえる粛清を行い帝国軍工作員の目を欺いた裏で、残存戦力をラグラン市の鉱山地帯へ撤退させていたのであった。
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6月30日、もぬけの殻の旧代官府を無血占領した帝国軍は、コミューン軍が立て籠もっているラグラン鉱山へ進撃を再開した。同日、ラグラン市に到着した先遣部隊がラグラン鉱山に攻撃を開始、一気に撃破を目論むも、ハンソン指導の下コミューン軍は奮戦、被害を被るも地形を巧みに利用し、帝国軍先遣部隊の撃退に成功する。
報告を受けたミッターマイヤー大佐は、部隊をラグラン市へ急行させ先遣部隊と合流、統制を回復させラグラン鉱山を包囲した。その後シュターデン少将も1万の軍勢と共に合流させた。総勢3万人の帝国軍に対し、コミューン軍は僅か5000人未満となっていた。その後両軍は睨み合いを2週間ほど続けた。
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「厄介なことになったな。」
「はい。我々の勝ちはゆるぎないですが、このまま攻め込んでは敵は窮鼠となって必死に抵抗するでしょう。そうなれば我らにも多数の損害がでます。」
「慎重過ぎて時間を掛けるのもあまり良くはないが……下手に総攻撃をかけて損害が出るのも良くはない。はてさて、ここはどうすべきか……」
「司令、ここは降伏勧告を行ってはどうでしょう?」
「叛徒どもの首魁であるハンソンなる者は、あの『帝国騒乱事件』(帝国第一革命の別名)の首謀者であったと聞く。降伏勧告を行っても無駄ではないか?」
「奴とその一派だけならその通りでしょうが、現在ラグラン鉱山には大勢のラグラン市民も立て籠もっているとの報告を受けています。」
「なるほど……叛徒どもが降伏勧告を拒否すれば、少なくとも市民の反感を買うことになり、連中の結束を乱せるということか。」
「それに叛徒どものの大義が『人民主義』である以上、市民の支持を失うことを連中は何よりも恐れるでしょう。市民の生命を保障してやれば叛徒どももNOとは言えないはずです。」
「ふむ……分かった。叛徒どもに降伏勧告を送るとしよう。」
この決定により、帝国軍からコミューンに対し降伏勧告が送られることとなった。
「敵将に告ぐ、卿らは我が軍の完全な包囲下にある。退路は既に失われた。これ以上の抗戦は無意味である。速やかに降伏されたし。皇帝陛下は卿らの勇戦に対し、寛大なる処遇を以って報われるであろう。重ねて申し込む。降伏
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