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レーヴァティン
第百五十三話 不戦勝その四

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 騎士団長は騎士団全員を帝国に入れてその下で戦うと宣言した、他の団員達も彼の言葉を受けてだった。
 騎士団長の言葉を受けて帝国に降った、こうしてロードス騎士団は帝国軍の一部を担うことになった。
 騎士団を迎え入れた久志は戦後処理と島の復興を命じると今度はアテネに向かうことにした、その途中で。
 彼は留奈の言葉を聞いて彼女に言った。
「あそこはあれだろ」
「水軍の方がよね」
「強いだろ」
「陸軍よりもね」
「財力を使ってかなりの規模の水軍を擁しているよな」
「ええ、けれどね」
 それがとだ、留奈は久志に話した。
「今はね」
「水軍を動かし気配がしないんだな」
「そうなの」
 これがというのだ。
「私達の水軍の規模を聞いてね」
「戦って負けるってか」
「そう認識して」
 それでというのだ。
「もうね」
「港に引っ込んでか」
「動く気配はないわ」
「じゃあ不戦勝か」
「そうなるわ」 
 留奈は久志に微笑んで話した。
「今回はね」
「そうか、それは何よりだな」
「戦いを諦めてくれるなら」
「それでいいさ。やっぱり圧倒的な戦力にはな」
「敵も来ないわ」
「そうだよな」
「大きな勝利よ」
 留奈は笑ってこうも言った。
「お陰であちらに大軍を無傷で上陸させられるわ」
「簡単にな」
「ええ、水軍も傷つかなかったし」
「いいこと尽くめだな」
「本当にね、ただね」
「上陸してからはか」
「湖戦を放棄してきたから」
 アテネ、この都市国家はというのだ。
「だからね」
「陸では決戦を挑んでくるか」
「テーベと同盟を結んでいるし」
「それぞれの勢力圏の都市国家からもな」
「兵を出させてね」
 そうしてというのだ。
「結構な数の兵を出してくる筈よ」
「そしてその兵で俺達に勝つか」
「そのつもりよ」
「だからあえて湖は捨てたか」
「そちらでの戦はね」
「成程な、ならな」
 久志は留奈の言葉をここまで聞いて言った。
「陸でな」
「決着をつけるわね」
「そうするな」
「それじゃあね」
「ああ、上陸するな」
 まずはと言ってだ、そしてだった。
 久志は早速都市国家群のある半島部に上陸する為に兵を進めた。その際アテネからも他の都市国家もだった。
 水軍を出さなかった、それで言うのだった。
「ここで迎撃しなかったのはな」
「そうだ、アテネにとってはな」
 芳直も言ってきた。
「失敗だった」
「ここは地の利いや湖の利が敵にあるからな」
「そこで攻めるとな」
「まだよかった」
「俺達にも多少傷を与えられたしな」
「それをしなかったからな」
「無傷で上陸出来たよ」
 久志はこの言葉は嬉しそうに話した。
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