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おっちょこちょいのかよちゃん
49 東京で暴れる者
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な。ピアノの練習、頑張れよ」
「う、うん、ありがとう」
 三人は帰った。

 三河口は一用事を済ますと東京駅に戻っていた。その時、イマヌエルが現れた。
「お疲れ様だ、三河口健」
「イマヌエルか、あいつらは対峙したよ」
「ああ」
「ところで、聞きたい事がある。俺の従姉が持っている護符や、山田かよ子ちゃんの持っている杖は君達の世界ではどんな存在なんだ?」
「それは、最上級の強さを持っている。これが戦争を司る者や悪事を企む者に渡ると全ての世界のバランスが崩れてしまうのだよ」
「それで従姉に何か呼びかけていないか?」
「ああ、あり君の事か。君の三姉妹の従姉も君や山田かよ子君などと同じように特別な能力(ちから)を宿している。きっとこの『戦い』に大きく貢献してくれるからな」
 三河口はこれ以上は追求しなかった。「戦い」の意味は彼にはすぐに理解できた為である。
「君にはその特別な能力(ちから)が全て揃っている。稀有な人材だ。君もきっと世界を救うための大いな鍵になれるよ。では」
 イマヌエルは消えた。
(稀有な人材、ね・・・)
 三河口は己の能力(ちから)は恐ろしき物かと思っていたが、考え直す事にした。そしてそして新大阪行きの新幹線に乗車した。

 かよ子は家に帰ると丁度三河口と会った。
「あ、隣のお兄ちゃん!」
「かよちゃん、只今」
「北海道から帰ってきたんだね!」
「うん、そうだよ。かよちゃんにお土産あげよう」
 三河口はかよ子に一つの箱を渡した。
「『白い恋人』って言ってホワイトチョコレートをクッキーでサンドしたお菓子だよ」
「あ、ありがとう!」
 三河口は話を続ける。
「ところで、帰りに東京の方でイマヌエルに会ってきたよ」
「イマヌエ、ル・・・!?」
 かよ子は勿論その名を忘れてはいなかった。隣町の小学校に異世界の敵などと戦う為の道具を渡した人間だからである。
「ど、どうして・・・!?」
「東京に彷徨いてる赤軍や異世界の敵を追い払って欲しいって頼まれてね。それで一泡吹かせたよ」
「東京・・・、そうだ、もしかして・・・!!」
「ん?」
「今東京の子が清水(こっち)に遊びに来てるんだ。その子は異世界の『杯』を持ってて、私の杖みたいにかなり大事なアイテムみたいなんだ。今日はその子と助け合う事を約束したんだよ」
「そうか、じゃあ、奴らが探していたのはその東京の子かもしれないね。名前は何ていうんだい?」
「安藤りえだよ」
「オーケー、俺も会っておきたいな」
「うん、いいよ」
 その時、話し声が聞こえたのか、かよ子の母が現れた。
「あら、かよ子、帰ってたの?入りなさい。あら、健ちゃん。札幌から帰ってきたの?」
「はい、たった今帰りました。では、失礼します。じゃあね、かよちゃん」
「うん、バイバ〜
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