暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第79話
[6/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「……お父様が”庶子”であった事はご存じですか?」
「ええっ!?ヴァイスハイト皇帝って”庶子”だったの!?」
「”庶子”が皇帝になる等普通に考えれば相当な茨の道を歩む事になると思うが……それ程までの功績を残したならば、国民達は当然として貴族達も認めざるを得なかったのだろうな。」
「その”皇族としての自覚”の件でその話を出したって事はヴァイスハイト皇帝が”庶子”である事と”皇族としての自覚”の話に何か関係があるのか?」
メサイアの問いかけに仲間達がそれぞれ血相を変えている中アリサは驚きの声を上げ、ラウラは真剣な表情で呟き、ある事に気づいたクロウは真剣な表情で訊ねた。

「はい。お父様は先代メルキア皇帝と使用人の間に生まれた方でして……その出自の故、幼い頃に母君が”謀殺”された後帝宮から追い出され、お父様の後見人を申し出たリセル様の父君であられるオルファン元帥の元で育ったのですが……お父様の母君が亡くなる前にお父様に常に言い聞かされたそうです。『半分であろうと貴方には尊い血が流れており、皇族である事に変わりはないのだと。皇族である自覚と誇りを持ち、誰よりも皇族らしくあれ』と。」
「”半分であろうと尊い血は流れている”、か……」
「というか今さりげなく、ヴァイスハイト皇帝の妃関連でとんでもない事を言ったわよね。」
「え、ええ……私達がクロスベルでヴァイスハイト皇帝と共に出会ったヴァイスハイト皇帝の正妃の一人であるリセル皇妃が”元帥”のご息女だったなんて……」
メサイアの説明を聞いたユーシスは静かな表情で考え込み、ジト目で呟いたセリーヌの言葉に頷いたエマはリセルを思い浮かべた。

「そしてお父様は母君の言葉を証明する為に努力を重ねて常に”上”を目指し、最後はメルキア皇帝の玉座につきました。それらの経緯からお父様は『逆境こそが人を強くする』という人生訓を持たれて母君の教えでもあられる『皇族である自覚と誇りを持ち、誰よりも皇族らしくあれ』という教えを私のような妾の子供を含めた全てのご自身の子供達にその人生訓と教えを伝えましたわ。」
「『逆境こそが人を強くする』か………まさに”今のクロスベル”を表しているね。」
「うん…………それも上昇志向がとてつもなく強い上決して”私情”で政治を決めるタイプじゃないから、”王”としてはまさに理想的な人物なんだろうね、ヴァイスハイト皇帝は……」
「ああ、それもあるからユーゲント陛下の事を『エレボニアの王としての資格はない』なんて事を言ってユーゲント陛下の事をよく思っていないんだろうな。」
メサイアが話を終えるとアンゼリカとトワは複雑そうな表情で考え込み、クロウは重々しい様子を纏って呟いた。


”黒の史書”でエレボニアを巣食う”呪い”を知っても、それを鉄血宰相に限らず他人に委ねず、自分自身
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ