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レーヴァティン
第百五十二話 ロードス島の攻防その九

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「数は少ないよ」
「そうなんだな」
「都市国家群は実はどの街ももっと人口は多いけれど」
 その二十万よりもというのだ、淳二はここで眉を顰めさせてそのうえで久志に対してどうかという声で話した。
「実はね」
「市民が二十万で、な」
「後は奴隷だからね」
「そうだよな」
「市民は貴族と平民で」
「その連中が政をしていてな」 
 久志も苦い顔で言う。
「そうしてな」
「戦うけれど」
「奴隷は数に入れてないな」
「当然その生活もね」
「悪いよな」
「生きてはいて」
 そしてというのだ。
「それなりにね」
「財産だからな、奴隷は」
「大事にはされているよ」
 このことは事実であるとだ、淳二は久志に話した。
「財産でしかもね」
「かなり高価な財産だからな」
「粗末に出来るものじゃないから」
「やっぱり大事に使われてるよな」
「そう、ただね」
「ものとしてな」
「その視点から大事にされていて」
 それでというのだ。
「人間としてじゃないよ」
「それが問題だよな」
「おいら達奴隷は認めてないしね」
「合理的じゃないからな」
「そうそう、奴隷を使うよりもね」
 それよりもというのだ。
「市民としてね」
「活躍してもらいたいからな」
「帝国の為にね」
「教育を施したうえでな」
「確かな人材になって欲しいからね」
「それに人道的にもな」
 この考えからもというのだ。
「俺達の感覚にしろ」
「奴隷はね」
「どうもってなるしな」
「そうなんだよね」
「この辺りが引っ掛かってな」
「おいら達奴隷制敷いてないからね」
「日本じゃ秀吉さんが否定したしな」
 実はこの人物は奴隷制反対論者であったのだ。
「それもかなり強く」
「はい、実は」
 順一が応えた。
「そうでしたね」
「それで海外に宣教師に売られて奴隷にされていた日本人助けたな」
「買い戻して」
「即座にな」
 その話を聞いてすぐにだった。
「そうしたからな」
「そしてそこからです」
 順一はさらに言った。
「キリスト教を禁止しました」
「そうなったんだよな」
「教理や布教が問題でなく」
「民を奴隷にしたりな」
「あと国を乗っ取る」
「キリスト教を通じてな」
「そうしたことを警戒して」
 そうしてだったのだ。
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