第11話
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達との戦いは激化し始めたばかりだ。負ければ死ぬだけだ。琴音のためにも、今の現状について考えなければ。
俺は首を振り、思考を放棄する。帰路へと戻る歩みを進めていく。
──────
宮廷。 タイムジャッカーが根城としているその邸内ロビーでアナザーダブルはフラフラと入るや、片膝を付く。息を荒らげ、胸に手を当てる。
『はァ・・・・・ぐっ、うっ』
「無様ね。アナタ、まさか逃げ帰ってきたわけ?」
カツカツとヒールの音を鳴らして、レッドカーペットが敷かれた階段を降りながら、アウォールスの可愛らしくも冷やかしの声が響く。アナザーダブルはそれを聞くや、不快感を表すように首を背ける。
『アウォールス・・・・・負けたわけじゃない。スウォルツ様に撤退を命じられただけだ』
「ふぅん・・・・・まあ、そういう事にしておきましょ」
アウォールスはアナザーダブルの言葉に生返事し、宮廷の柱へと寄りかかる。と、勢いよくドアが開かれる。何者かと目線を向けるも、スウォルツと分かるやアナザーダブルは姿勢を整え、こうべを垂れる。
「戻ってきたか」
『・・・・・スウォルツ様』
「あら、随分と早い帰還ね。それで?かつての知り合いとジオウに垣間見えた感想は?」
「特に無いな。・・・・・ウールとオーラはどうした」
「あの子達も働き者だから、アナザーライダーの選定に躍起になってるんじゃないかしら。 フフっ・・・・・あの子達は私やスウォルツ様の使い走りでしかないというのに」
面白おかしく、クスクスとアウォールスは笑いを零す。 その光景を、アナザーダブルは不愉快そうに、スウォルツは無言で見つめる。が、スウォルツは改めてアナザーダブルへと向くと淡々と言葉を連ねる。
「イイか。 貴様の役目はライダー共を監視し、闘いに消極的なアナザーライダー共を始末する事だ。それをはき違えるなよ?」
「・・・・・はっ」
「期待しているぞ、'グナーデ'。'リグレ'」
スウォルツがその名を呟くと、アナザーダブルはその変身を解き──風の中から、大柄の体格に黒いロングコートを羽織った黒髪の男ーー『リグレ』、ハイグレの透明なスカートが特徴の緑髪の小柄な女ーー『グナーデ』がこうべを垂れ続け、口を開く。
彼等は、2人で1人のアナザーダブルの変身者。同時に、血を分けた姉弟のタイムジャッカーである。
「はい、スウォルツ様」
「全ては、我々の計画の達成の為に」
そんな中、彼等の会話を快く思わない者も居た。
「何だ・・・・・リグレとグナーデがアナザーライダーだったのか・・・・・?」
「それと何よ・・・・・私達が使い走りですって?」
宮廷のロビーの陰で、たまた
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