第78話
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い様子を纏って黙り込んでいた。
「……あの子の志が正しいか、間違っているかはともかく………それでも、リィンにとってエレボニアで結んだ”絆”はZ組(あたし達)を含めて大切なはずよ。それを自らの手で壊そうとしている事で内心は傷ついているであろうリィンに対して何も思わないの!?」
「その傷ついた心を癒し、支えるのが我が主の”守護天使”たるこの身の役目でもあります。それに我が主は決して孤独ではありません。エリゼ達やこの身のような我が主と共に将来を歩む事を決めた者達、そして肩を並べて共に戦う”戦友”達がいるのですから。」
厳しい表情を浮かべたサラの指摘に対してユリーシャは堂々とした様子で答え
「……伝承等では天使は自身が”導く”と決めた主にはとことん尽くすような話をよく聞くけど……まさにその通りね。」
「フン……確かにリィンに対する忠誠心は篤いようだが、あの”神速”を思い浮かべさせる程”主”であるリィンに心酔しているのが理解できんな。」
ユリーシャの答えを聞いたセリーヌは静かな表情で呟き、ユーシスは鼻を鳴らした後呆れた表情で呟いた。
「……ねぇ。殲滅天使の話だとわたし達の目の前にいるユリーシャは並行世界から来たんだよね?……もしかして、わたし達の世界の方のユリーシャの”主”のジェダルって傭兵やその周りの人達の事についても知っているんじゃないの?」
「……確かにジェダル様達の事も存じてはいますが……それを貴方達に教えるつもりはありません。短い間だったとはいえ、この身もこの身の世界のジェダル様達のお世話になった恩があるのですから、その恩を仇で返すといった天使として風下にも置けない事はできません。」
「ユリーシャさん…………」
フィーの質問をにべもなく断ったユリーシャの様子を見て、ユリーシャの過去を知っているメサイアはユリーシャがジェダル達を庇っている事に驚いていた。
「て、”天使として風下にも置けない”って幾ら何でも大げさじゃあ……」
「まあ、その辺りは”種族による価値観の違い”じゃろうな。伝承等で天使はその高潔な精神で神々や主に絶対の忠誠を持って仕えていると言われておるからの。主であるリィンの方針とは異なる――――――いや、リィンと対立する可能性が考えられるヌシ達に対しては余計な情報を話すつもりはないのじゃろう。」
「”種族による価値観の違い”か………」
ユリーシャの言葉に困惑しているエリオットの疑問にローゼリアは静かな表情で推測を口にし、ローゼリアの推測を聞いたガイウスは複雑そうな表情で呟いた。
「その割には”灰色の騎士”サマがハーレムを築いている事を容認しているとかおかしくねぇか?高潔な精神とやらなら、ハーレムを築いている野郎の事なんて軽蔑するんじゃねぇのか?」
「ア、アッシュ君。」
呆れた表情で指摘したアッシュの指摘を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ