離別のファクター
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も死ぬわけにはいかなくなったな。感謝する、お前達さえいれば敵が何であろうと負ける気はせん……!」
そうして大きなハプニングがあったものの、俺のちょっとした発破のおかげで立ち直ったゼスト隊長は、俺とクイントさんと聖王教会へ出―――。
「待てクイント、お前は駄目だ」
「えぇ!?」
「アルガス達が辞めてしまった以上、ここを守れる魔導師がいなくなってしまった。流石に戦える人間を一人は残しておかないとマズい」
「あ〜そりゃそうよね。いくら戦力が不足しているとはいえ、本拠地を無防備にしちゃダメよね……」
という訳で彼女は地上本部の入口付近に待機させておき、男二人で出撃することになった。ゼスト隊長の気遣いがあったのか、クイントさんは別部隊にいた旦那さんと一緒に待機することになったが、こういう状況で夫婦揃って同じ場所にいるのは妙な不安がする……気のせいだと良いが。
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ミッドチルダ北部 聖王教会
リトルクイーンと化したなのはは片腕しか使えず接近戦に頼るしかないこちらに対し、聖王教会を覆いつくす影から暗黒の腕を伸ばして捕まえようとしたり、暗黒弾を引き撃ちしたりして徹底的に近づけさせない要塞系戦術を取ってきた。通常の魔導師なら速度重視だろうと既に落ちてるに違いない弾幕だが、サヘラントロプスやフレスベルグと戦ってきた私からすれば、多少被弾しつつもまだ耐えられる範囲だった。
「あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅとぅー♪」
「くッ!」
教会の屋根に陣取る彼女の鼻歌に、私は苛立ちを隠せなかったものの、集中は切らさずに低空飛行で回避し続けていた。しかもこの歌、以前ショッピングモールで薄っすらと聞こえていた―――恐らくシャロンが歌ったものだ。一度で耳コピしたらしいが、それは即ち彼女への執着を意味する。初めての遭遇時、倒せなかったのがよっぽど堪えているようだ。ということはこの戦術も、恐らくそういう事なのだろう。
「強いねぇ、フェイトちゃん。でも残念、このままなぶり殺しにしてあげるよ」
「その言葉、程度が知れるね。だから“リトル”なのさ」
「ッ……侮ってもらっちゃ困るよ。今の私は無敵なんだから!」
そう豪語するとなのはは左の籠手に周囲から何らかのエネルギーの塊を吸収、籠手が黒く輝き始めた。
来る!
咄嗟に進行方向を反転した直後、すぐ眼前に暗黒物質の砲撃が降ってきた。今のはなのはの十八番のダーク属性版か……だが甘い! 私にとってそれは致命的な隙だ!
「え?」
どこぞのクイックブーストじみた二段反転でミッド式ゼロシフトで砲撃の中を幽鬼の如くすり抜けた私がいきなり眼前に現れ、彼女は一瞬唖然とする。
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